2020東京五輪、ビーチバレー銅メダルかけてあげるのが目標 朝日健太郎さん…連載 五輪への提言 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

2020東京五輪、ビーチバレー銅メダルかけてあげるのが目標 朝日健太郎さん…連載 五輪への提言

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朝日健太郎さん
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朝日健太郎氏へのインタビュー最終回。ビーチバレー日本代表として北京、ロンドンと五輪に出場した。それ以前には、バレーボール日本代表としてのキャリアもある。

開催中のW杯バレーボールについて、朝日さんの視点で現状を語ってもらった。


---:日本の男子バレーボールに関して、取り巻く環境とオリンピックまでの距離について朝日さんはどのようにお考えでしょうか。

朝日:ロンドン五輪に出場できなかったとかですね、世界的に見てに日本のバレーが低迷しているような話はあります。30年前はメダルを争っていたわけですから。やはり低迷していると言わざるを得ないですね。日本の男子バレーは、海外で勝つためのバレーボールをやるのか、子どもの頃からバレーボールに親しみ、自身を高めていくためのバレーボールなのか、というところがすごく難しいところです。

僕の考えとしては、教育の一環として、部活として始めたバレーボールが順調に成長して、日本代表となり、オリンピック出場を争う戦いをすることになる、ここの切り替えが難しいと思います。大半は実業団選手で、エース級の清水くんはプロでもあるのですが、そこの入れ込み方が非常に。自分の経験から言うと、海外を「ドサ回り」的にはいつくばって回りながら強化されていったところはあるので。

世界との差を埋めるとか、そういったものをクリアしていくのであれば、もっとタフな、キツい練習とかではなくて「タフな環境」に身をおいて。言い換えれば海外の選手はタフなんですよね。試合、競技に対して日頃からタフな世界で競い合っているんですよ。だから勝手に強くなるよねっていう。

---:バレーボールでいうと日本では男子と女子、という比較もありますね。

朝日:男子でいうと海外とはフィジカル面での差は大きいですよね。なのでタフな環境でチームの力を上げていくということと、個人については、根本的に体を作りかえるくらいのことをしてもいいのではないかと。

僕は自分の体を強くしましたよね。技術の部分は30歳前後では劇的に伸びない。メンタル的にタフになったり、形のないものはある程度変えられたり、ボールを触るタッチは天性だったり、練習だったりで、ありますけれど。これ以上伸びないなと考えたときに、フィジカルに傾倒していきましたね。

---:そうしたフィジカル強化は日本男子バレーボールでも取り組める部分と。

朝日:フォジカルトレーニングは、いまもかなりやっていると思いますが、細かな内容の見直しはあるのかなと、僕は思います。もちろんスーパーエースが出てくるのを待つよりも、強化の考え方を変化させて、例えば「やっていないことにトライしていく」という向きはありますよね。いままでやってきたものをなぞっていくと、PDCAがびっくりしないじゃないですか。

---:PDCAのなかに新しい要素を入れ込んでいくという。

朝日:結局そっちの志向ですよね。「びっくりすること、やっていこうぜ」という。それでダメならまた変えればいいですし。

---:2020年東京五輪に向けて、さまざまな課題が湧き上がっているなかで、朝日さんが五輪プロデューサーだったら、どんなコンセプトを掲げますか。

朝日:そうですね、海外にアピールするとか、いろいろな方向性がありますよね。オリンピックって祭りなんですよね。ゲームなんです。アスリートだけのものではないので、いろいろな方が関わることができます。実際自分もオリンピックの場に立って見て、選手として楽しかったし、北京、ロンドンの現地の方々とのコミュニケーションも。多くの方が関われる、ボランティアスタッフさんですとか、オリンピックを中心になるべく多くの方が関われる仕組みができればいいなと思いますね。

具体的にいうと、バレーボールならコートに立てるのは限られた人数ですが、チームスタッフから会場警備まで、すごく皆さんにとって人生のポイントになるのは間違いないので、そういったものが組織できるような。うちの家族にも全員ボランティアスタッフのTシャツを着させるて何かしらやらせたいですね。日本代表の競技者として立つの確率が低すぎるので。

なので、オリンピックに多くの人が関われるように、という観点でお手伝いできたらいいですね。ちなみに僕がやりたいことは、東京オリンピックのビーチバレーの表彰式で、銅メダルをかける係をしたいです。

---:なぜですか?

朝日:日本の現地のビーチバレーディレクターなどを担当していれば、金メダルはIOC(国際オリンピック委員会)の方などが選手に贈呈すると思うんですよね。でも銅メダルなら、日本の人間が選手に贈呈できるんじゃないかと思うんです。いや、厳密にはレギュレーションがあるんですよ。できないかもしれない。イメージとしてはそういうことをしたい。

もしできなければ、メダルをかたわらで持つ係をやりたいですね。メダルをかける担当の方に、選手の情報をかたわらで伝えて。メダル贈呈の際、選手も贈呈者も楽しめるようなサポートができればいいなと思うんですよね。「この間、銅メダルの彼は子どもが産まれました」とか伝えてですね、贈呈の際に「子どもが産まれておめでとう」とか一言選手に添えてもらう。そういうコミュニケーションの架け橋になれたらいいですね。

一般の方がボランティアで狙えるのは、ウサイン・ボルトの決勝の荷物係ですよ。これ一番狙い目ですね。ジャージなどの荷物係です。いきなりは入れないのですが、今から準備していれば可能性はありますよ。

一般の方々も含めて、裾野を広く、どんどん巻き込んでいくことができるのは、スポーツの力、価値という観点で、オリンピックに多くの人が関わってもらいたいですね。

---:最後に、これまでのターニングポイントの瞬間と、大事にしている言葉があれば教えていただけますか。

朝日:ターニングポイントはやはりビーチバレーに転向したときですね。これは大きいです。自分でも解析しきれていないですが、15年位前になりますでしょうか。当時も思い悩んだとは思いますが。何が自分にとって最適かを考えながらの転向でしたので。

言葉ですね…。ないんですよね。季節物なのでいつも。そういった言葉とか、自分の状態にあった物を拾っていくという。いろいろ読むわけですけど。いいな、いいストーリー聞いたなと、感化はされます。でもそれを大切にしないっていうね(笑)。

---:いい意味で?

朝日:そうですね、いい意味で。好きな言葉は「朝令暮改」ですかね(笑)。変化していくことに前向きだということですね。

《土屋篤司》

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