【THE SPIKE】プロ野球・オールスターゲームを楽しむ7つの視点 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE SPIKE】プロ野球・オールスターゲームを楽しむ7つの視点

オピニオン コラム
大谷翔平
大谷翔平 全 8 枚 拡大写真
今年もプロ野球・マツダオールスターゲーム2016が近づいてきた。ファン投票で選ばれた選手はもちろん、監督推薦や選手間投票で選ばれた選手が集結する夢の舞台だ。

第1戦は7月15日に福岡ヤフオクドーム、第2戦は横浜スタジアムで開催される。毎年、見どころが盛りだくさんのオールスターゲームだが、より観戦を面白くするためのいくつかの視点を提言する。


1.何と言っても大谷翔平

何と言っても、まずは大谷翔平投手(日本ハム)に注目せざるをえない。怪我によるオールスター欠場も囁かれるところだが、出場するなら注目必至。大谷自身のマークした日本最速163kmを超えるか否かはもちろん、今年の球宴ではバッティングの方にも注目したい。今シーズンは二刀流がさらなる進化を遂げている。

先発マウンドに上がる試合で、打者としては1番に座り、先頭打者本塁打を放つという離れ業もやってのけた。オールスターゲームは、先発投手部門でファン投票1位の投手が先発する可能性が高い。大谷がスピードガンで何km出すのかはもちろん、打撃の方にも注目したい。

2015年、メジャーリーグのオールスターゲームでは、レッズのキューバ人守護神アロルディス・チャップマンが103マイル(約166キロ)を連発し、本拠地グレートアメリカン・ボールパークの観衆が酔いしれた。大谷も夢を見せてくれるはずだ。


2.渋いところで、古田敦也氏以来のサイクル安打達成者が出るか

オールスターゲームの醍醐味の一つが、シーズンでは考えられない起用法だろう。1992年のオールスターゲーム第2戦で、古田敦也捕手はセ・リーグの1番打者として出場し、オールスターゲーム史上初のサイクル安打を達成した。この記録は今でも古田氏のみ。

今回出場する選手のリストを見ているだけでも、サイクル安打の期待を持てる選手は多い。選ばれている選手は皆ハイレベルであり、誰がサイクル安打を達成してもおかしくはないが、技術と走力、パンチ力を兼ね備えた山田哲人内野手(ヤクルト)、丸佳浩外野手(広島)、柳谷悠岐外野手(ソフトバンク)、糸井嘉男外野手(オリックス)には特に期待したい。


3.新庄剛志氏のホームスチールばりのインパクトを求む

2004年のオールスターゲーム。当時、メジャーから日本に戻ってきたばかりの新庄剛志氏(日本ハム・当時の登録名はSHINJO)が、三塁から単独ホームスチールを成功させた。これはオールスター史上初の快挙であり、全パを率いていた王監督が「メジャー仕込みの素晴らしいスチールだった」と絶賛した。

ヒーローインタビュー時の新庄氏の「これからはパ・リーグです」という発言は伝説となった。イチロー外野手(当時オリックス)がマウンドに上がったのも、オールスターならではの光景だった。オールスターは真剣勝負の場面も時としてあるが、両軍のベンチの雰囲気からも分かる通り、基本的にお祭りだ。あっと驚かせてくれるようなプレーを期待したい。

例えば、好調広島の象徴的存在でもある、“神ってる”鈴木誠也外野手(広島)のバズーカ砲のような右翼からの返球は、ぜひ球宴の舞台で見たいし、柳田には横浜スタジアムのバックスクリーンの上を超える場外弾を見せてほしい。また、本塁打の固め打ちが多い山田には、三連発、四連発の夢を期待してしまう。


4.爽快な三振ショー

オールスターの伝説と言えば、やはり1971年のオールスターゲームで江夏豊氏(阪神)が達成した9者連続三振だろう。球宴で投げられる最長イニングは3回であるため、これ以上の記録はない。1984年には江川卓氏(巨人)が8者連続三振を達成した。最後の打者、大石大二郎(近鉄)に得意のカーブを当てられた時の何とも言えない表情は忘れられない。

また、2010年には、当時全盛期を迎えていた藤川球児(阪神)が予告全球ストレートでマウンドへ。藤川の投球前に「さすがにストレートを投げると予告してしまったら…。その上、パ・リーグの打者は直球に強いですからね」と実況がコメントしていたが、そう言っていたのもつかの間、結果は圧巻の三者連続三振。藤川の火の玉ストレートにパ・リーグの強打者のバットは空を斬るしかなかった。力と力のぶつかり合いはいつの時代もワクワクする。特に大谷、藤浪晋太郎投手(阪神)には真っ向勝負を期待したい。


5.トリプルスリー対決

セ・リーグの山田、パ・リーグの柳田のトリプルスリー達成者同士の対決も見ものだ。ただ、シーズンの前半戦を振り返ると山田に圧倒的軍配が上がる。7月11日終了時点で、山田は打率.353、29本塁打、72打点、19盗塁という昨年の成績を上回る驚異的な数字を残している。一方、柳田は打率.296、10本塁打、47打点、14盗塁。普通に考えればそれほど悪くはないと思える数字だが、柳田のポテンシャル、今年の山田の成績と比べると見劣りしてしまう。

柳田は山田に対して「自分がどうこうではなく、彼が凄すぎるんですよ」と言う。もはや、史上初の2年連続トリプルスリーも確実視されている山田に対して、柳田も挽回したいところ。オールスターゲームで山田を凌ぐド派手な活躍を見せて、後半戦への起爆剤にしたい。


6.復活組に注目

一時は低迷時期を過ごすも、ここにきて見事な復活を遂げたベテラン選手も選ばれている。好調広島を牽引する新井貴浩内野手(広島)と涌井秀章投手(ロッテ)だ。

新井は第一期広島在籍時代に本塁打王を獲得し、北京五輪の日本代表では4番を務めるなど、名実ともに日本球界屈指のスラッガーだった。しかし、阪神移籍後の晩年は控えに甘んじ、もはや限界かともささやかれたが、今年は7月11日現在の打線部門で2位につけるなど見事に復活した。

涌井も西武時代には最多勝を獲得するなど球界を代表するエース格として、日本代表の常連でもあった。しかし、西武時代の晩年およびロッテ移籍直後は全盛期とはほど遠いピッチング。それが昨年最多勝に輝いて華麗なる復活を見せた。こうした復活組がどんなハツラツプレーを見せてくれるか。辛い時期を味わったからこそ、彼らが球宴の舞台を心から楽しんでいる様子を見たいと思う。


7.来年WBCがあるという視点

2017年3月には第4回ワールド・ベースボール・クラシックが開催される。今回のオールスターゲームには、野手では内川聖一内野手(ソフトバンク)や田中賢介内野手(日本ハム)、倉本寿彦内野手(DeNA)、平田良介外野手(中日)、投手では武田翔太投手(ソフトバンク)、宮西尚生投手(日本ハム)、黒田博樹投手(広島)ら、好成績を残している実力者が出場を逃している。

実際にはここに名前を挙げた選手も候補に入ってくるかと予想されるが、「来年のWBCに誰が出るのか?」という視点で見てみるのも面白いだろう。オールスターゲームは一流選手が同じ試合で一度に見られるし、比較もしやすい。だから、そうした視点で見る絶好の機会となりうる。

例えば、プレミア12で問題視された中継投手に焦点をあてるのであれば、開幕から31試合連続無失点という日本新記録を今年打ち立てた田島慎二投手(中日)も中継投手部門で選ばれているし、現在は怪我でリハビリ中でもあるが、パ・リーグの同部門で選出された牧田和久投手の状態も気になるところ。

そのほかにも秋吉亮投手(ヤクルト)や益田直也投手(ロッテ)が、一流打者の並ぶ打線にどのような投球を見せるのかも興味深い。新しく侍ジャパン入りが期待されている鈴木誠也外野手や、目下パ・リーグの首位打者・角中勝也外野手の動きにも注目だ。

いずれにせよ、見どころが満載であることは確かだ。パワーとスピード、技術、プライドが激突する夢の舞台を存分に楽しみたい。

《浜田哲男》

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