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オリンピックの「レガシー」とは?…日本パラリンピック界のパイオニア 大日方邦子さんに聞く

オピニオン ボイス
大日方邦子さん
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---:2020年の東京オリンピック・パラリンピックが終わったあとに、一旦スポーツの文化、価値は下がるかもしれないと囁かれていますが。

大日方:ある程度下がるのは見込んでおいた方がいいですよね。イベントなので、当然なんですよ。ただ、「ここのラインは維持したい」といった着地点は意識しなくてはいけない。1998年の長野パラリンピックを経験した者としては、パラリンピック後もゼロに戻ったとは思っていません。

良いレガシーはいろいろ残っていると思います。でも、パラリンピック期間中の関心度を100とすると、もし、残そうと計画を立てて準備してたらパラリンピック後も40くらいに維持できたかもしれないけれど、世の中が盛り上がったり関心が下がったりする流れに身を任せていたら、10くらいになってしまった、というイメージですね。

5年、10年単位、もっと長い単位で「スポーツにはこういう価値がある」ということを伝え続け、世の中にどんないい影響を与えられるのか、ということを考え続けて、好循環をもたらすシステムを作り出せれば、着地点をある程度高い場所に狙えるのではないか、という仮説です。



---:「レガシー」という言葉は、曖昧でいまいち実像がつかめなかったんです。今の話から「2020年から先の時代に、狙って何かを残すこと」を考えることなんだと、落とし込むことができました。

大日方:レガシーってわかりにくい、とよく言われます。例えば国立競技場もひとつのレガシーになるでしょう。無形のレガシーもたくさんあります。

例えば1964年の東京オリンピックが残したものを考えてみると、新幹線が作られたこともありますし、公共マナーの向上、ごみを回収するという文化、システム。立ち小便をしなくなりました、ということもレガシーです。

教科書でも「外国人を指差してはいけません」なんてことが教えられた。当時においては新鮮なことだったし、その文化などが残っているのですから、これらはレガシーと言えます。

(その4にへ続く)
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●日本パラリンピック界のパイオニア 大日方邦子さんに聞く
その1 アスリートのキャリアと"戦略力"
その2 「自分じゃなきゃできないこと」を追い求めて
その3 オリンピックの「レガシー」とは?
その4 日本人の国民性がオリンピックに向いている理由
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《大日方航》

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