荻島美香がマスターズ世界シクロクロス選手権で2位 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

荻島美香がマスターズ世界シクロクロス選手権で2位

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 オランダ在住8年になる二児のママ、荻島美香が1月23日にベルギーのモルで開催されたマスターズ世界シクロクロス選手権の30~39歳女子クラスで、トップと5秒差の2位になった。以下は同選手によるレポート。
 オランダ在住8年になる二児のママ、荻島美香が1月23日にベルギーのモルで開催されたマスターズ世界シクロクロス選手権の30~39歳女子クラスで、トップと5秒差の2位になった。以下は同選手によるレポート。 全 1 枚 拡大写真
 オランダ在住8年になる二児のママ、荻島美香が1月23日にベルギーのモルで開催されたマスターズ世界シクロクロス選手権の30~39歳女子クラスで、トップと5秒差の2位になった。以下は同選手によるレポート。

 マスターズシクロクロスの聖地、ベルギーのモルで毎年行われている世界大会。昨年はベルギーロード界のスター選手トム・ボーネンが仲間に呼びかけてシクロクロスレースのチャリティーをした場所。シルバーメール(銀湖)湖畔を利用した、砂・森・階段・シケインが設定されたシクロクロス競技の伝統とも思える正統派なコースだ。
 銀湖と名がついているとおり、砂は真っ白サラサラで、車輪は深く埋もれ、テクニックだけでなくパワーを100%使わされる。その砂地を経てからの森の中は、ドライなので速い走行が可能なのだが、随所に砂が浮き車輪を取られる。休みどころの少ないハードなコースだ。

 スタートの合図を確認することなく、なんの前ぶれもないまま、あわててのスタートとなった。スタートを前で展開するのが鉄則なのに遅れてしまった。でも、スタートから砂地へ向かうアプローチのアスファルトは長く、中盤から楽々と先頭に出て砂へ突っ込んでいった。
 砂地をできるだけ長く乗っていたいが、失速してはなにもならないのでいさぎよく自転車を降り、担ぐことを考えていた。でも1番先頭で突っ込んで、降りる間もなく転んでしまった。それでもあせらず対処し、自転車を担いで3番手で森へ向かった。2番目の選手を抜きにかかるチャンスをうかがいながら、先頭を走る前年度のチャンピオンの走りを見ていたが、私との差が開くことはなかった。
 1周が終わった時点で先頭に出たところから引き離しにかかったが、なかなか大きな差にならない。ピットを通過した時にハリー(コーチ)からの「もう少し後ろを引き離せ!」というゲキ飛ぶ。私の心中もハリーと同じだった。

 残りの2周、「このまま行かして…」。

 極限の中の集中力が切れてきたのか、ミスが増えてしまう。シケインの丸太に車輪をぶつけてしまって、チェーンが落ちてしまった。焦らず足を回し続け、どうにか難をしのいだが、すでに後ろにだれかがいる気配を感じた。
 後ろにいたのは、私と同様に昨年までワールドカップに出ていたベルギーのへルティー・ウィルムス(32歳)。昨年の泥のレースは全く私の前を走ることがなかったが、カチカチのコースだったワールドカップinゾルダーでは私よりも先にゴールをしていた選手。
 2本の丸太のシケイン後はすぐにスタートゴールのアスファルトに出る。迷わずヘルティーを前に出して、ひと呼吸置いてからアタックして最周回の砂へ突入し、私は引き離しにかかった。地元ベルギーということもあり、私から彼女への声援が離れず、後ろを振り向かなくとも彼女が後ろにいるのは明らかだった。
 階段後のピットまでのアプローチで彼女は抜かしにかかった。まさか抜かされるとは思わず、私は全くの無防備であせって踏みなおしたが、間に合わずに道を譲ってしまった。それでも最後のチャンスをかけて、シケインで並ぶよう突っ込んだが、シケインの1本目の丸太に後輪が当たりバランスを崩してしまった。その一瞬に彼女との距離が微妙にできてしまった。私はスプリントに持ち込むべくもがき続けたが、彼女がゴールラインを踏んだのを見て足を止めた。

 昨年の世界選手権22位をひっさげてのマスターズの挑戦は、2位という結果で一歩とどきませんでした。このままでは終われないという自分と、家族を持っている責任の狭間に葛藤して複雑な気持ちです。先のことはこの年なので約束はできませんが、温かく私を見守ってくれたスポンサーの方々や、応援してくれた方々に深くお礼を申し上げます。ありがとうございました。

《編集部》

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