【BMC teammachine SLR01 インプレ vol.4】二世代分の進化を遂げたフォーク&ヘッド…安井行生 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【BMC teammachine SLR01 インプレ vol.4】二世代分の進化を遂げたフォーク&ヘッド…安井行生

オピニオン インプレ
BMC teammachine SLR01の徹底インプレッションvol.4。今回はフロントフォーク&ヘッドチューブの設計を掘り下げる。
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BMC teammachine SLR01の徹底インプレッションvol.4。今回はフロントフォーク&ヘッドチューブの設計を掘り下げる。

抜いたフォークを見て驚かされた。フォークの肩部分が滑らかな円錐状で、鋭角に加工された部分がどこにもないのである。これはおそらくカーボン繊維の流れを寸断させないための設計だ。トレックがマドンを一新したときに採用したE2フォークのno90デザインと同様の手法である。

さらに、ヘッドの下側ベアリングがヘッドチューブ下端から内側に5mmほど潜っていることも分かる。これは、ベアリングがヘッドチューブ内側に当たるポイントと、ヘッドチューブとダウンチューブの接合部を一致させ、ヘッド剛性を上げるためだと推測する。数年前にスペシャライズドがターマックSL2で採用した設計と同じだ。

◆カーボン繊維の性能を最大限に発揮させる設計

BMCは、ヘッド内側という目立たないところで、フォークのクラウン部を滑らかにしてカーボン繊維の性能を目一杯引き出すと同時に、ヘッド下側ベアリングをヘッド内部に押し込んでベアリング位置をダウンチューブの延長線上に持ってきて構造を強化、ヘッド周辺の基本剛性を上げてきたのだ。これは走らせた印象ともピタリと一致する。細いフォークブレードの先端は明確に動く。

しかし、一通りしなったあとはガッチリと耐え、大きな入力にもびくともしなくなるのだ。だから、明らかにしなやかで快適なのに、どんなに荒れた路面でもタイトなコーナーでも臆することなく突っ込める。フォーク先端を意図的に動かしつつ、基幹の部分は強靭に作っているのである。

◆フォーク構造にみる二世代分の進化

ちなみに、旧型SLR01のフォークは通常通りクラウン部に水平部分があり、そこに下玉押しが圧入され、ヘッドチューブ下端に挿入されたベアリングに押し付けられている。下玉押し一体成型ですらないのだ。BMCはなぜかこの新型フォークの構造を宣伝に使っていないようだが、実は二世代分の大幅進化が見て取れる部分である。

ジオメトリ表を見ると、全フレームサイズでシート角が統一されていることが分かる。

BMCお決まりの手抜きジオメトリだ。インペックは74度だったが、SLR01は73.5度。しかし最近、これは一概に“手抜き”とは言えないのかもしれない、と考え始めた。一般的なロードフレームでは、小さいサイズになってトップチューブが短くなればなるほどシート角が立ってくる。起きたシートチューブは、当然ながらトップチューブを前方に押し出す。これがとんでもない逆転現象をもたらすことがあるのだ。

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