【山口和幸の茶輪記】冬季五輪と自転車競技…シクロクロス、正式採用の可能性は
オピニオン
コラム

自転車競技は1896(明治29)年にアテネで行われた第1回近代五輪からの正式競技だ。当初はロードとトラック競技だけだったが、1996年のアトランタ大会からMTBクロスカントリーが、2008年の北京大会からBMXレースが加わった。
現在の種目数は男女同数で、トラックはそれぞれ5種目。ロードは個人ロードレースと個人タイムトライアルの2種目。MTBはクロスカントリーレースのみ。BMXも一斉スタートのレースのみ。毎年開催されている世界選手権では、五輪に採用されていない種目も数多く実施される。その1つがシクロクロスだ。
シクロクロスは自転車による障害物競走だ。大自然を舞台としてコース設営されるMTBレースとは異なり、コース上に立て板を置いたり階段を上らせたりと、人工セクションを加えたコースがその特徴となる。ヨーロッパの冬場に開催されることが多く、ベルギー勢が圧倒的に強い。
2月1~2日にオランダのホーヘルハイデで開催されたシクロクロス世界選手権を視察した調査団の手応えは良好だった。男女同数の種目数、低コストで可能な設営、そして観客の年齢層の多様性が評価された。世界の各地で開催されているという条件は今回もクリアできていなかったが、すべての世代が楽しみ、とりわけ若い人たちに魅力を与える存在であることは確認できた。
ただし現行のオリンピック競技規定では大きな障壁が立ちはだかる。第6章には「冬季五輪は雪上あるいは氷上で行われるスポーツの祭典であること」と明記されている。2月8、9日に東京のお台場で開催されたシクロクロス東京はまさかの大雪の中での開催となったが、それはたまたまだ。
議論の途中経過としては、やはり自転車競技は夏のスポーツで、シクロクロスが五輪種目になるなら夏季大会の1種目として採用することが望ましいという。そうするとMTB競技との統合あるいは住み分けも考えなければならず、まだまだ議論の余地は残る。
《山口和幸》
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