【澤田裕のさいくるくるりん】荒川の河川敷道路に新ルール、サイクリストへの影響は
オピニオン
コラム
data:image/s3,"s3://crabby-images/bdc4b/bdc4b1888db232c9248a41cad868f7b24e23f739" alt="ようやく春めいてきた3月中旬、荒川上流部を目指して自宅から走り出しました。ところが川にたどり着いて河川敷に下ったとたん、工事で迂回せねばならないことを知ります。
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しかも強い向かい風。そのためあっさり断念してハンドルの向きを変え、下流へと再スタートを切りました。こうなるともう楽勝。追い風に背中を押され、ペダルにほとんど力を込めなくても時速20kmを超す快走ペースです。
ところで多くのサイクリストでにぎわい、荒川サイクリングロードと呼ばれるこの道が、自転車道ではないことをご存じでしょうか。現地の標識にもあるように正式には「緊急用河川敷道路」といい、大規模な災害が発生したときに復旧工事や救援活動などで使われます。普段は空いていますから、そこを自転車や歩行者が利用しているというわけです。
この道を管理する荒川下流河川事務所が、河川敷を利用する際のルールを定めています。自転車については「いつでも止まれるスピードで走行すること(目安として時速20km以下)」とありました。このルールが3月に改訂され、新ルールでは「時速20km以下」という文言が消え、ルールとは別建てとなるマナーの中に「自転車は徐行し、歩行者を優先しましょう」と記載されています。現地には新ルールを示す案内板が設置され(写真1参照)、一方で「20km制限」を示す路面表示は消されました。この速度は前述したように意識せずとも出てしまうものでしたから、当然の措置といえましょう。
とはいえ、これで一件落着とも思えません。新ルールにある「徐行」が時速何kmなのかは法律にも具体的な定めはありませんが、かつて国会答弁で「時速4、5kmぐらい」と示されたことがあります。つまり、もともとあった「時速20km以下」よりさらに厳しくなったことで、言い換えればより実効性に欠ける規定となったと評価することもできるわけです。元のルールを示した看板も、相変わらず設置されたままとなっています(写真2参照)。
緊急用河川敷道路は本来の用途に供するため、自転車道と比べて幅広に造られており、歩行者用のスペースと自転車用のスペースを別に確保することが可能です。そこで路面表示などで両者の区分を明確にしたうえで、速度制限については多くのサイクリストが同意できるものとし、交通強者である自転車に乗る人には歩行者優先を徹底させる。これが最も現実的な解決策だと思うのですがいかがでしょうか。
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