【山口和幸の茶輪記】ジロ・デ・イタリアの王者はどうしてピンクジャージを着るのか
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
世界最大の自転車レース、ツール・ド・フランスにおいて総合1位の選手に与えられるのが黄色いマイヨジョーヌだ。フランス語でマイヨはジャージ、ジョーヌは黄色という意味。ツール・ド・フランスとはたった1枚しかないこのジャージを奪い合う戦いであり、マイヨジョーヌを着てパリ・シャンゼリゼに凱旋した選手が、その年のツール・ド・フランス覇者ということになる。
マイヨジョーヌは第1回大会から存在したわけではない。「集団のなかでもトップ選手がだれであるかを見分けられるようにしてほしい」という取材陣の要望で、主催者が1919年に設定した。当時の最高権威であるアンリ・デグランジュが、主催スポーツ紙のロト(現在のレキップ)の新聞紙の色が黄色だったことからシンボルカラーとして採用した。
ところで、ツール・ド・フランスとともに二大大会といわれるジロ・デ・イタリアのリーダージャージの色はなにか知ってる? これがなんと派手なピンク色なのだ。マリアローザと呼ばれるが、イタリア語でマリアはジャージ、ローザはバラという意味。バラはもちろんピンク色を意味する。
それでその発祥はやっぱり新聞紙の色? そうなのだ。事実上の主催社であるスポーツ新聞「ラガゼッタデッロスポルト」が薄めのピンク色なのだ。
このマリアローザもマイヨジョーヌもその大会においてはどんなジャージよりもプライオリティが高く、複数の賞で1位になった場合でもそれらを優先して着用しなければならない。また世界チャンピオンや各国ナショナルチャンピオンであっても、リーダージャージを獲得した場合はこれを着用する義務がある。
ちなみにどんな体格の選手がリーダーになってもいいようにマイヨジョーヌもマリアローザもSサイズからXLサイズまで用意されている。さらに全チームのロゴシールが用意され、表彰台の裏に置かれた専用車両のなかで熱転写プリントされ、表彰式に用いられる。
さて、2014年はだれがピンク色のジャージを着るのだろうか。とても興味深い。
《山口和幸》
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