【礒崎遼太郎の農輪考】丹精を込めた作業が紡ぐ食
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コラム
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都市で生まれ育って、ひたすら頭を使うことを鍛えてきた筆者にとって、単調な農作業をし続けるということは、それほど楽なことではない、というところが本音だ。それでもやり続けている中で、感じてくることがある。
「僕らがずっと今まで食べ続けてきた野菜は全てだれかが手間ひまをかけて育ててきたものなのだ」にんじんの周りの雑草を抜きながら、そんなことを考えていた。少し考えたらどうってことのない、”事実”。しかし機会がなければ、気づくことができないことなのかもしれない。
作物が代々つないできた種がある。その種から作物を育てるための環境は、自然である。そしてそれを世話して、収穫する人間がある。その絶妙は関係は、芸術的だとも思えるときがある。人間は一日に三度食事をとる。誰かが丹精を込めて作った農産物を”食べる”ことができる喜びをしっかり味わえる人間になりたいとも思う。
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