【小さな山旅】苦手な山を克服!奥久慈男体山にリベンジ登山…奥久慈男体山(1) | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【小さな山旅】苦手な山を克服!奥久慈男体山にリベンジ登山…奥久慈男体山(1)

オピニオン コラム
2年前の男体山の写真、その3。雨の中、登山道を進む。雨量は凄かったのだが、登りの一般コースでは木々の葉が雨を遮ってくれた。雨に濡れた緑が美しい。
2年前の男体山の写真、その3。雨の中、登山道を進む。雨量は凄かったのだが、登りの一般コースでは木々の葉が雨を遮ってくれた。雨に濡れた緑が美しい。 全 9 枚 拡大写真
誰しもに「苦手なもの」があるように、筆者には、「苦手な山」がある。その名は、奥久慈男体山。茨城県の奥久慈にある岩峰だ。

◆奥久慈の名峰・男体山

茨城のハイカーにお薦めの山を尋ねると、この山の名を挙げる方が多い。奥久慈男体山は、標高653mと低い山ながらも、その険しさと高度感は高山級と言っても過言ではない。その魅力を最大限に味わえるのが、「健脚コース」だ。

男体山の健脚コースは、ゴツゴツとした岩場を、鎖を使いながら登るコースである。しかも、この鎖場が連続で待っている。登るのに困難な場所だから鎖がある訳で、そのような難所が次から次に待ち構えているのだから、一筋縄ではいかない。熟練のハイカーにとっては、この状況が面白いらしい。

◆「苦手な山」になった訳

筆者がこのコースにチャレンジしたのは、今から2年前。当時の筆者は、登山経験が2度しかない初心者中の初心者であった。

頂上までの登りは、森林の中を歩く普通の登山道であったのだが、それでも運動不足な筆者は息を切らせていた。頂上に着いた頃には、体力は限界近く、しかも、天候は大雨。そして、下山で待っていたのが健脚コースの連続鎖場である。

この健脚コースを下りで利用すると、普通に前を向いて下りるのが困難な場所が多い。斜面に顔を向け、鎖や岩に手と足をかけ、後ろ向きに下りていく(画像参照)。

前を行く同行者の姿を見て、「何だこれは? 一体何をしているのだ?」と混乱した。

これはまるで、ロッククライミングではないか! こんなコースを下りるなんて、聞いてない!(いや、聞いていたのだが)

戸惑う筆者をよそに、同行者たちは軽々と急な斜面を下りていく。やがて、筆者が下りる順番がくると、恐怖心に襲われた。

下を覗き込むとそれなりの高さ。少なくとも、ジャンプをしてぴょんと飛び越えられる高さではない。一体、どこを頼りに下りればいいのか。鎖はなんとなく頼りない。かといって、雨で岩場が滑るような気もする。

「鎖を信じて。岩と身体を近づけ過ぎないで」

同行者の方からアドバイスが飛ぶが、あまりの恐怖にその通りにできない。

筆者は思った。

「これは、死ぬかもしれない」

そして、そこから逃げ出したい感情に駆られた。

「救助ヘリを呼んでしまおうか」

結局、同行者の助けを借りて、どうにか下山することができた。しかし、それ以来、山に登る機会があると鎖場の有無が気になるようになった。男体山という言葉にも過敏になり、他の山には登っても男体山にだけは近寄らないようになってしまった。

筆者の「苦手な山」はこうして作られたのである。

それから2年の月日が過ぎた。

その間、筆者は数々の低山を踏破してきた。時には、予期せぬ鎖場に遭遇することもあったが、それも何とか乗り越えてきた。いくらかの経験と自信を積み上げ、今夏、奥久慈男体山に再挑戦することに決めた。

《久米成佳》

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