【LONDON STROLL】一足先に芸術の秋…紳士服がトレードマーク、ギルバート&ジョージの新作
オピニオン
コラム

秋と言えば「芸術の秋」。そんな事を思いながら、今回はロンドンの有名ギャラリーのひとつ、ホワイトキューブ(WHITE CUBE)に愛車のモールトンで行ってきました。私の家からホワイトキューブまでの道は、私の好きなサイクリングコース。このコースの1番の名所は、テムズ川に圧倒的な存在感で佇むタワーブリッジです。子どもの頃、 ピーターパンやキン肉マンの漫画で知ったイギリスを代表する橋を、自転車で渡るなんて小さい頃は想像もしてなかったもの。タワーブリッジを見る度に、ロンドンで暮らしているのだなと実感させてくれる建物です。
私が今回観に行ったホワイトキューブで開催されている展示は、ギルバート&ジョージ(GILBERT & GEORGE)の新作がずらり並んだ、SCAPEGOATING PICTURES FOR LONDON展。イギリスを代表する現代アーティストのギルバート&ジョージ。 私が生まれる前に卒業している彼らだけれど、私にとってはイギリスの大学の大先輩でもあります。そして、家の周りを歩いているとたまに道で挨拶を交わすイギリス紳士の「近所のおじさん」達でもあるのです。
ギルバート・プロッシュ(イタリア出身、1943年生まれ)とジョージ・パサモア(イギリス出身、1942年生まれ)の2人組で、常にペアで創作活動をしているため「ギルバート&ジョージ」として知られています。常に攻撃的なメッセージ性の強い作品のために、物議を醸すことの多い現代アーティスト。今回の作品も彼らが得意とする格子がはまったステンドグラスのように黒い線をかぶせてある巨大な作品は非常に鮮やかな色使いで、見る者をまず圧倒します。そして、彼ら自身がほとんどの作品に登場するので、ギルバート&ジョージの作品だとすぐ分かるのです。
何年か前にロンドンのテートブリテンで開催されたギルバート&ジョージ展は、彼らの巨大すぎる作品や、その作品数自体も多かったため、通常のスペースには収まらず、特設スペースで開催されました。
この展示は大きな話題となり、多くの人々が押し寄せ、英国を代表する現代アーティストとして圧倒的な存在感を見せたのです。
イギリスの美術館・ギャラリーの大半は無料で観る事ができます。今回の展示ももちろん無料。これはイギリスの人々がアートへの関心が高いひとつの理由でもあり、そして何より贅沢な事でもあります。
《Takaharu Osako》
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