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国内のトッププロチーム「マトリックス・パワータグ・コラテック」が使用するRTカーボン。グラマラスな輪郭を持ち、個性的なカラーリングを纏うカーボンフレームの実力は?ヤビツ、大垂水、相模湖と、一週間で300km以上を走りこんでの徹底インプレッション!
(text:安井行生 photo:我妻英次郎/安井行生)
一見オーソドックスに見えるフレーム形状だが、ヘッドに向かってアウトバテッドするトップチューブ、菱形断面のダウンチューブ、わずかにエアロ加工されたシートチューブ、薄く複雑な断面形状を持つフォークなど、こだわりが随所に見てとれるRTカーボン。実はグラマラスで有機的なイメージがあり、適度なスローピングによってレーシーなシルエットを見せる。
メインフレームはコラテックでの最高級グレードである3Kカーボンで作られており、強度と軽量性、快適性を持ち合わせているという。マトリックス・パワータグのベテラン、三船雅彦選手などによって実戦でも活躍しているバイクである。
試乗車のコンポーネントはシマノ・105。105仕様の他に、フレームセット販売、アルテグラSL仕様、デュラエース仕様もラインナップされる。ハンドル周りも日本人にフィットしやすいNITTOの製品で固めてあるなど、パーツアッセンブルに好感が持てる。しかし、完成車に付属してくるトルバティブのシートピラーはオフセット量が少なく、サドルをガバッと引いて乗る人は注意する必要がある。
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このオトコノコゴコロをくすぐりまくるカラーリングがまず目を引く。UCIのロゴ、アルカンシェルカラー、各パーツブランドのロゴ。スポンサー満載という雰囲気で、モータースポーツ好きにも堪らないかもしれない。そういえば、フレームのダークブルーとフォークのシャンパンゴールドとのコンビネーションは、ロスマンズ時代のウイリアムズを連想させるかも。
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しかし走りにおいては、最初は没個性の一台だと思った。天性の品格を持ち、上質に過ぎたコラテックC-F1 (vol.21に登場) の直後に乗ったというハンディもあるだろうが、これといった印象を残さないRTカーボンのメインフレームは、剛性としては一般的なカーボンモノコックフレームのもので、決して硬くはなく、しっとりと穏やかである。フレームに対して、105仕様完成車に付属するホイール、シマノ・WH-R500が性能的に不相応という可能性も否めず、それが走りに大きく影響を及ぼしたのかもしれない。
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フォークにも最初は良い印象を抱かなかった。横方向にソフトで、そのせいかステアフィールは多少曖昧さを感じさせるものとなっており、ハンドルを切り込むと切った方向へと流れていってしまう傾向があるように感じた。高速コーナーでは安定した特性で好印象だが、フォークに大きな横荷重がかかるような低・中速コーナーで追い込むとアンダーが出る。ワインディングロードに持ち込んでも、ナチュラルではあるが軽快な身のこなしは望めない。
しかしブレーキもよく効くし、ハードブレーキングでもノーズがダイブしないので、縦方向には剛性がある。激しく攻め込まない限り、しっとりと落ち着き払っているので安心感があり、安定感のあるフレームとのマッチングは良い。
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