【LONDON STROLL】ロンドンに起きるペルー料理の新ムーブメント「PERUVIAN CUISINE MOVEMENT」
オピニオン
コラム
タパスといえばスペイン料理だが、ここロンドンには次々と美味しいスパニッシュレストランのオープンが相次いでいる。
そんな流れの中で、まぎれもなく一つの大きなムーブメントと言えるのが「PERUVIAN CUISINE」ことペルー料理！元スペイン領ということもあり、色とりどりのタパス・スタイルの料理が数多く並ぶのが特徴だ。
ペルー料理の代名詞と言えるのが「セビーチェ」。生の魚介類などに玉ネギのみじん切りと唐辛子に薬味を和え、レモンやライムをたっぷり絞ってマリネした料理。
魚介類を生で食べる彼らの料理は、コリアンダーが苦手じゃなければ親近感が沸く。ペルーと言えばフジモリ元大統領を思い浮かべる人も多いと聞くが、そのようにペルーには日系人が多く、ひょっとしたらこの点が関係しているのでは、と想像を駆り立てられる。
そしてもう一つ、セビーチェをマリネした漬け汁（生魚、貝、海老、たこ、イカ、レモン、ペルーの唐辛子、にんにくなど）がペルー料理では大事な要素。この漬け汁は「タイガーミルク」と呼ばれ、他の料理の調味料としてもよく使われるのだが、一度食べたら忘れられない味なのだ。 また、お酒が好きな方にはペルーの有名なカクテル「PISCO SOUR」もおすすめである。
ロンドンのペルー料理の代表的レストランは4店ある。1店目は「LIMA」。ペルーの首都リマに「CENTRAL」というお店を構え、「世界のベストレストラン50」で2013年50位、そして今年は15位にランキングされた、コンテンポラリー料理のVirgilio Martinezがプロデュースするミシュラン一つ星のロンドン支店だ。 あまりの人気に、今年ロンドンに2店舗目「LIMA FLORAL」をオープンし、その勢いはまだまだ収まる気配が無い。
2店目は、その名の通りSOHOにあるレストラン「CEVICHE」。2012年のオープン以来大人気のレストランで、SOHOと言う場所柄、LIMAに比べ気軽に食べられるカジュアルさも人気の秘訣だ。混んでいて最近行けてないが、レストランの前を通る度に目にする賑わいは、競争の激しいSOHOにしっかりと根付いた証拠と言えるだろう。
3店目は、どんどん発展を遂げるイーストロンドンのショーディッチエリアにある「ANDINA」。なんとここは、先ほど紹介した CEVICHEのオーナーによる、ペルー料理レストランの2号店。2013年に、ご存知ACE HOTELがヨーロッパ第1軒目としてオープンした事により、このエリアがどれだけ注目され人気かご想像いただけるのではないだろうか。 そんなショーディッチにあるANDINAは瞬く間にイーストロンドンっ子の心をつかみ、連日満員の人気レストランとなっている。
4店目は、今年の10月にオープンしたばかりの「PACHAMAMA」。 アンデスの古い神話の女神の名前を関したこのレストランは、多くの人でにぎわうメリルボーンストリート界隈にオープン。 オットレンギの元ヘッド・シェフを務めていたTom Catleyのレストランと言う事もあり、新鮮な地元産食材を使ったカラフルでヘルシーなモダン・ペルー料理が小気味よく運ばれる店内から人気の理由が伺える。たまたま私が座ったテーブルが大人数用のテーブルであった為、間違って隣のお客のお肉料理が届き、そのまま隣のお客と我々にそれぞれ無料でお肉料理がサービスされると言う嬉しいハプニングが。
もしあなたがロンドンを旅行されるご予定があるのならば、その際はロンドンの PERUVIAN CUISINE MOVEMENTを体験してみてはどうだろうか？国際色豊かな人種が暮らす人種のるつぼ、ロンドンの雰囲気も感じられ、新たなロンドンの一面が見られるはず。洋食で胃が疲れた時に軽く食べるのにも最適なのは、このタパス・スタイルだ。
《Takaharu Osako》
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