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ただし、この光景、どうも自転車に関してだけは遅れていると言わざるを得ない。というか「惜しい!」の域を出ていない。
確かに駅前の駐輪場は増えたのだ。すべてサイクルラックを備えてるのが、つくばらしいんだが、肝心の動線がない。つくばの自転車はどこを走るのを想定されているのだ?
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つくば駅前に自転車走行スペースはほぼゼロ。縦横無尽に走る広い道路(片側2車線ない通りの方が珍しいくらいだ)のどこにも自転車レーンがない。見てると普通にみんな歩道を走っている。しかも左右デタラメに。
つくば市ってのは平坦だし、おおまかなところ直径15キロ以内にすべてが収まるし、住民のインテリジェンスは高いし(独ミュンスター市みたいだ)自転車に向いているといえば、こんなに向いているところはないはずなのに、現実はクルマ帝国である。
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エキスポ(1985年の科学万博)から30年。このクルマだらけの光景は「30年前の人々が夢見た未来都市」のままだよ。
でもね、現在の未来都市はこれなのだ。
TOKYO自転車シティ化計画
自転車こそがエコで健康的で何より合理的。そこに気づかないつくば市民じゃないだろう。
私はこのつくばから「日本の自転車モデル都市」を始めていければ、なんて夢想する。この都市の広さや余裕(密度)キャパシティを考えると、もしや一気に「自転車専用高速道」や「自転車用立体交差」「自転車信号」「ゾーン30」なんてことも可能になってくるかもしれない。だって、現在だって普通にセグウェイが走り、ロボットが闊歩する街なんですぜ、ここは。
今の「自転車のことを何も考えてない街」を返上するだけじゃない。それ以上に「つくば市こそが自転車で一番走りやすい街」を目指すのだ。それでこそ未来都市だろう。
すると、その未来ぶりを見に、走りに、全国から自転車乗りたちがやってくる、なんてオマケもついてくる。しまなみ海道の成功例が示すごとくだ。
今、茨城県は魅力再発見、観光誘致に力を入れている最中なんだけど、こういうところから考え直していくのはいかがだろうか。