ナショナルリーグ(NBL)に所属する「つくばロボッツ」が、選手15人中11人と契約交渉で合意に至らず退団することが12月1日に分かった。つくばは運営会社の経営状況悪化に伴い、10月からリーグの管理下に置かれ再建を目指してきた。選手の給料はリーグが支払い、試合も通常どおり行ってきた。
11月末を目処に新たな運営会社と選手の間で交渉を続けてきたが、11人の選手と期日までに合意できず、今回の事態に至った。自由契約となった選手の中には元日本代表の岡田優介選手会会長もいる。
岡田選手会長は「つくばだけの問題ではない。日本協会、NBLのガバナンスに関わる問題です」と説明。
この件に関しては、本当に長い話になるのですが、大変大きな憤りを感じています。一チームの問題というよりは、NBL全体の問題と捉えて良いと思います。そして、FIBA問題にも密接に関連すると考えています。一つ言えることは、今、日本のバスケ界は本当に危機的な状況だということです。
岡田優介(Yusuke Okada) (@ysk_okada) December 2, 2014
僕は心からバスケットを愛し、常に本気でバスケットに向き合っています。普段僕のことを良く思っていない方もいらっしゃるかもしれませんが、この言葉に嘘偽りはないです。つくばロボッツを運営する新法人とその株主、利害関係者がバスケットボールに対して本気で向き合ってくれることを切に願います。
岡田優介(Yusuke Okada) (@ysk_okada) December 2, 2014
そして、FIBAから指摘されているJBAのガバナンス、その傘下であるNBLのガバナンスがどのように機能するのか、関係各所の英断を待ちたいと思います。僕から、現時点で言えることは以上です。
岡田優介(Yusuke Okada) (@ysk_okada) December 2, 2014
ガバナンス(組織統治)。それはFIBAが指摘した日本バスケ界3つの問題のひとつでもあった。
FIBAが日本バスケットボール協会に改善策を示すよう勧告したのは『男子トップリーグの統合』『ガバナンス能力に欠ける協会の改革』『代表の長期的な強化策』だった。このうち一般のニュースではリーグ併存問題ばかり採り上げられるが、それを生み出しているのも元を正せば協会の統治能力不足だ。
NBLは2012年にJBLから名称を変更し、国内トップリーグを統一する目的で生まれ変わった。しかし企業チームとプロチームの折り合いを付けられず、bjリーグとの統合は果たせないまま今日に至る。
リーグは他のチームでも経営状況の悪化や、報酬の未払いが言われており、岡田選手会長の言うとおり1チームだけの問題ではない。JBLからNBLへ移行する際、リーグは参加8チームから12チームに増やした。規模拡大に、運営会社の見通しはいかなるものだったのか。審査基準に則り、適切に判断されたか。追求は避けられない見通しだ。
15人中11人が退団したロボッツには「どうやって試合すんねん? 分身の術でも使うのか?」「次の試合はどうなるの!?」「選手が4人じゃ試合出来ないし、今後どうなるんだろう」と、心配する声が多数寄せられている。
つくばロボッツは12月6日に千葉との試合を控えているが、このままでは日程に穴を開けてしまう。それどころか4人ではリーグの参加資格も満たしていないため、シーズン中にチーム消滅の危機すらある。
協会のガバナンス能力が改めて問われる。