日本の自転車競技レベルの引き上げにはTTバイクが必要との声もあり、また近年のトライアスロン人口の増加からTTバイクを購入する層も増えている。一般サイクリスト用のTTイベントも増えている中、ブリヂストンアンカーが出した答えが「RT9」だ。
肝心の空力面は、もちろん前面投影面積を抑えた翼断面のエアロ形状フレームを採用。ブリジストンアンカー・サイクリングチームによる実験でも立証された通り、高い空力性能を誇っている。
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また電動コンポーネント専用フレームとすることで無駄を省き、バッテリーもシートチューブ下部に内蔵し、低重心化。さらにチェーンステー、ダウンチューブを左右非対称とすることでドライブトレインからフレームにかかる力を効率化。フレーム全体の剛性コントロールと合わせて、駆動力を高めている。
ハイエンドのカーボンフレームのTTバイクと言うと、剛性が高すぎたり、ハンドリングがピーキーだったりとの先入観を抱いていた。
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しかし、「RT9」はそんなことはなく、「とても乗りやすい」という印象だ。ハンドリングもふらつくことなく素直で、段差の乗り越えもほとんど気にならないぐらいスムーズだ。踏みこんでも、高剛性のバイクにありがちな脚が跳ね返されるような感覚はない。
となると、マイルドな味付けでレース向きではないのではというイメージを持つかもしれないが、「RT9」そんなことはない。TTバイクが苦手とする上りでも、緩斜面ならペダルを踏み込む力に合わせて「クンッ、クンッ」と力強く進んでいく。
空力面も、個人的な印象では普段乗っているロードバイクと比べて前から抑えられるような空気抵抗が少ないように感じた。
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まとめると「RT9」はこれまでロードバイクしか乗ったことがない人でも乗りこなせ、TTバイクの醍醐味や高い性能も味わえる1台ということだ。
待望の国産トップブランドが満を持して送り出したことで、これから初めてTTバイクを買いたいと思っている人も当然選択肢に入ってくるモデルだろう。「RT9」は、そんな人にまさにおススメだ。
フレーム単体標準価格は39万0000円(税抜き)で、現在受注受付中、来年春からのデリバリーとなる。