開幕戦を飾ったのは、今夏の全国高校総体で優勝し、2年連続16回目の出場となる優勝候補の一角、東福岡高等学校(福岡)と、7年ぶり2回目出場の東京都立三鷹高等学校(東京B)。
会場はあたかも都立である三鷹高校のホームグラウンドとなった。開会式でも三鷹の紹介シーンでは、観客席では割れんばかりの拍手が沸き起こり、会場の雰囲気を象徴していた。
試合後、東福岡の森重潤也監督が「相手キーパーのファインセーブに苦しんだ」と明かしたように、何度もあった東福岡のゴールチャンスは三鷹キーパー武田選手と三鷹ディフェンダーの身体を張った守備に防がれ、前半を0-0で折り返す。
三鷹高校佐々木監督が試合前に「ありんこのように闘う」と気持ちを入れて臨んだように、三鷹の選手たちは精力的に走って東福岡のオフェンスを常に数人で囲み続けた。
だが、夏のチャンピオンは流石の貫禄。後半2分、横浜入りが内定しているMF中島賢星主将がCKからヘディングで先制。
試合後に「チームが苦しい時に自分がチームになにができるかということをいつも考えている」と心情を明かしたように、まさに苦しい状況のチームを救う一発だった。
同19分、またもCKからDF小笠原佳祐のヘディングで加点し、2-0で試合は東福岡高校に軍配があがった。
三鷹高校の健闘を称える声はSNSに数多くあがった。
都立三鷹高校、地元の誇りです!三年生はもうグラウンドで見ることができず悲しいけど、是非、後輩たちに良き伝統を引き継いでいってほしい。お疲れ様でした。受験、頑張って下さい。 pic.twitter.com/VbqcC1Mu0l
sugi3 (@ayusugi3) 2014, 12月 30
進学校でもある三鷹高校の選手たちには、選手権の余韻に浸る時間もなく、センター試験をはじめとした受験が待っている。華々しい戦いの直後に待つのは高校生としてのいつも通りの日常だ。
あ、それと、都立三鷹サッカー部も応援のみなさんもここから受験頑張ってください!たいへん~(+_+)
岩瀬 (@aoaka_note) 2014, 12月 30
三鷹高校の応援スタンドからは、挨拶の後もずーっと温かい拍手と選手を讃えるコールが続いていました。 pic.twitter.com/U77FfzvWnd
azuma (@clef_foot) 2014, 12月 30
負けた三鷹高校サッカー部は、しかしよく闘ったと感じました。本心を書けば、0対5くらいで負けるんじゃないか、と。先制されて一気に崩壊だと思ったら、持ちこたえた。幻の得点もあった。「良き敗者」です、三鷹高校サッカー部は。
バートレット (@bartret) 2014, 12月 30
普通の高校生たちが集まり、自主自立のチームスタイルで東京予選を突破。全国大会では、高校サッカー史上でも記録に残る強さを誇る2014年の東福岡高校に善戦した。
ボールに食らいつく、体ごとブロックする、三鷹高校という名称での最後の選手権に恥じない選手達の輝きは、見た者の記憶に残り続ける。