第1セットは実力を見せつけ6-2で取ったナダル。このまま一気に終わらせるかに見えたが、第2セットに入ると動きが鈍る。
「第1セットの終わりに突然異変が起こった。急に体調が悪くなったんだ。自分でも何故こんなことになったか分からないよ」
試合後のコート上で語ったとおり、ナダルは急な腹痛に襲われ身体に力が入らない状態になっていた。第2セットを落とすと、第3セットにはトレーナーをコートに入れ、薬を受け取る場面も見られた。
いつもの野性と情熱のテニスからはほど遠く、時おり俯いてコートに視線を落とす弱々しい姿もあった。それでもナダルはグランドスラム14勝の意地を見せる。第4セットを6-3で取り返し、セットカウント2-2でフルセットに持ち込んだ。
第5セット第11ゲームでスマイチェクのサービスゲームをブレークしたナダルは、続くサービスゲームをキープし今大会最長4時間12分の激闘に幕を下ろした。
昼のゲームではフェデラーが「蜂に刺されたような痛み」で、あわや敗退かと思われた。同じ日に上位シード2人が突然のアクシデントに見舞われた21日。
勝利が決まった瞬間、コートにうずくまり顔を覆ったナダルの姿に「テニス人生最後のポイントを取ったかのような姿だった」「まるで優勝が決まったかのような試合」といった声が寄せられている。
また第5セットでナダルがサービスをトスアップした後、観客が叫びサーブを失敗する場面があった。スマイチェクは今のサービスは打ち直すべきだと主張し、ファーストサーブを打ち直したナダルは、このポイントを取ってゲームキープし勝利。
最後までフェアプレーの精神を忘れなかったスマイチェクにも「素晴らしいスポーツマンシップ」「彼がいたから忘れがたい試合になった」「なかなかできることじゃない」などの賞賛が寄せられている。
投稿 by ATP World Tour.