【疋田智のバイシクル物語】尿意とペダルの不思議な関係
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こんなことはないだろうか。
交差点で赤信号、で、停まる。その瞬間、尿意を感じる。おおションベンだ、では、トイレを探そうか。
……ということで、信号が青になったら、トイレ捜索にでかけようと思い、思っているうちに青になる。で、走り始める。
ところが、いざ走り始めると、あんなに強かった尿意がすっとなくなり、おや、まだ全然大丈夫だね、では、目的地近くのどこそこまで、と思う。
ところが、その後、まだ目的地に着く前の交差点で、また赤信号にひっかかる。で、停まる。すると、さっきよりももっと強烈な尿意がやってくるのだ。ぎゃ、トイレ行きたかったんだ! 早くトイレ探さなくっちゃ。
しかし、再び走り始めると、尿意はウソのようにすうっと消えていき、あれ、何だったんだ。まだ大丈夫……と思う。
その繰り返し。
なぜだろうか。尿意というものはペダルを踏むと消えるのだ。太腿の活発な動きや、膝の回転運動が、尿意関知中枢神経(?)とかに「尿意消えよ」と作用するのだろうか。
いや、違う。これははっきり分かる。なぜなら、私の経験上、クルマの場合も同じだから。停まったときのキョーレツな尿意、しかし、アクセルを踏むと、不思議なことに尿意は消えていく。
これはなぜかと言うならば、私ヒキタの仮説としてはこうだ。自転車であろうがクルマであろうが、やはり路上を動いている限り、危険であることを脳が察知している。で「ちょっと間違うと生命の危機!」という状況の中「今は尿どころじゃない」と、尿意をシャットアウトしてるのではないだろうか。で、交差点で停まると「生命の危機は去った、今なら大丈夫」とばかり、排尿を要求する、と。
根拠はない。
しかし、交通安全のためにも、尿意を感じたら、すぐさまトイレに入ろう。我慢しながら自転車に乗っていても、危ないばかりでイイコトはほとんどない。
ちなみにロードレースの選手たちは、誰もが「乗りながら排尿」のテクニックをマスターしてるのだそうだ。汚い? いや、大丈夫。成分で言えば、尿なんて大量の汗と同じなんだから。
《疋田智》
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