【澤田裕のさいくるくるりん】売却後も、パナソニックのタイヤは従来のラインナップで継続
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コラム

なぜそんな古いパソコン話を持ち出したのかというと、自転車もパーツごとにさまざまな規格が生まれ、そして消えていったものがあるからです。時代の要請に応えるため新しい規格が必要とされることもありましょうが、それによってこれまでの規格の製品を愛用する人は、「このままなくなってしまうのでは?」と危機感を覚えることになります。
ツーリング車の車輪径は650A(ビード径590mm)と650B(同584mm)、快走向けの700C(同622mm)に大別され(後に26インチも登場)、それぞれ互換性はありません。このうち700Cはロードバイクやクロスバイク、シクロクロス車に採用されていますから、リムやチューブ、そしてタイヤもバリエーションに富んでいます。フランス発祥のランドナーに使われる650Bは一時消滅がウワサされていましたが、MTBで29インチに続く新たな規格として復活。対してシティサイクルにも使われるイギリス発祥の650Aは、なくなること自体は考えられません。しかしシティサイクル向けの製品をツーリング車に使うとなると、重量や性能、デザインなどの点で満足できないこともあるでしょう。ちなみに僕が所有する2台のツーリング車の車輪径はこの650Aで、タイヤはいずれもパナソニックポリテクノロジー社の製品です。
このパナソニックポリテクノロジー社は松下電器グループの一員で、創業者の松下幸之助が自転車屋で奉公したことが設立につながったと言われています。小ロットの発注にも積極的に応じており、京都のサイクルショップ、アイズバイシクルからグランボアのブランドで発売されている650Bタイヤは、太さが32~42までそろっています。
そんなサイクリストフレンドリーな同社が、4月1日付けで投資ファンドに売却されるというからビックリです。そのとき僕の脳裏に浮かんだのが、「ツーリング車のタイヤ供給は大丈夫かな?」との思い。投資ファンドというと買収した会社の不採算部門を切り捨てて財務内容を改善し、企業価値を高めて転売するというイメージがあるからです。
僕はこのことを確かめようとパナソニックの広報に電話をし、お話をうかがいました。すると「資本関係が変わるだけなので、4月1日以降も従来のラインナップで継続する。それはツーリング車のタイヤについても同様」との心強いお言葉。ひとまず安心です。ネットショップで確認しても価格は安定していますから、買い急ぎに走る必要はないでしょう。
とはいえ1社だけに頼るのは、ちょっと心配という人もいるでしょう。日本では余り見かけませんが、コンチネンタルやミシュラン、ケンダなどにも650Aや650Bのタイヤがあります。保険として考えておいてもいいかもしれませんね。
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