空気と速度にアプローチするデザイン『COSMIC SPEED』…東京サイクルデザイン専門学校卒業制作展
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その内の1台を作った学生Mくんに話をうかがった。Mくんは2年生の前半に、それまでに覚えた知識からデザインをまとめ、卒業制作用自転車のラフスケッチを始めた。実際製作する段階になり、そのデザインを自分の乗っている自転車のジオメトリーに当てはめて製作に着手した。卒業制作を作ることは入学当初から決まっているので、早いうちから構想を練っていた。
製作期間は半年。デザインはすべての学生作品が「実際に自転車として乗れること」を前提に作られており、発想が良くても自転車としての機能が満たされないと製作の許可は下りない。展示されていた自転車は見かけは奇抜なものもあるが、どれも乗って楽しむことが可能なのだ。
しかしデザインを優先すると強度に不安が出る場合もある。シートチューブが無いデザインとなったMくんの自転車は、縦の剛性は出ているが、横の剛性はちょっと不安。それは使用するパイプ選択で強度を補ったりしている。図面だけ学生が引いて、高度な削り出しを講師が手がけた部品もあるが、基本はすべて学生が自分で行う。
Mくんは卒業制作で作る自転車で「空気や速度にどのようなアプローチができるか」を考えた。それをデザインとブレンド、新しい自転車の形としてエアロロードバイクを作り上げた。彼はそのバイクに未来や宇宙的なイメージを連想し、自転車の本懐であるスピードを求め「COSMIC SPEED」と名付けた。
ディスクブレーキを選択した理由は、フレームの邪魔をしないから。ディスクブレーキにすることで、よりフレームのデザインが際立っている。シートチューブがないデザインに「そのほうが未来的な感じがしませんか?」とMくんは笑う。たしかにそうだ。オーソドックスなダイヤモンド型のフレームデザインに囚われないことで、一気に未来を感じさせるものになる。
こだわったカラーリングにはマジョーラカラーを採用。結果的に制作費の中で塗装代が一番かかってしまったようだが、COSMIC SPEEDによく似合っている。まさに宇宙だ。
Mくんをはじめ、学生たちが3年間で得た技術、知識を総動員して作り上げた卒業制作自転車。どれも個性と情熱が押し出された作品ばかりで、溢れ出るパワーを感じさせてくれた。
《五味渕秀行》
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