【Next Stars】世界への挑戦は今しかできない。サーフィン 高橋みなと選手 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【Next Stars】世界への挑戦は今しかできない。サーフィン 高橋みなと選手

オピニオン ボイス
サーフィン 高橋みなと選手
サーフィン 高橋みなと選手 全 6 枚 拡大写真
高校卒業後、大学進学でも就職でもなくプロサーファーの道を選択した高橋みなと選手。

資金面をはじめ、厳しい環境を選択したのも、すべてはサーフィンが好きだからだという。「今」を一生懸命に生き、楽しんでいる彼女のライディングは、見ているものの心を打つ。

▼高橋選手動画




■サーフィン歴=人生。

---:高橋さんが出会ったサーフィンをはじめたきっかけを教えてくだい。

高橋みなと選手(以下、敬称略):父がサーファーで、小さいころから海が遊び場だったので、「いつはじめたのか?」と聞かれてもなかなかわからないのですけれども、「やりたい」と子供のころに言いだしたらしくて、物心付いたときにはサーフィンをはじめていました。




---:サーフィン歴=人生という感じなのですね。高橋さんの感じるサーフィンの魅力とは。

高橋:やはり相手が自然なので、予測できないところが難しく、楽しいですね。毎回すべてが違うので、ゴールのない、常に上を目指し続けられるスポーツだと思います。

---:ゴールがない…。具体的には技の難易度ですか?

高橋:そうですね。トップの選手だと新しい技をどんどん繰り出していて、その選手の名前が技の名前になったりするなどして発展します。ただ、これが「完成形」だというような技が存在しないので、そこもまた終わりのないスポーツだと言えると思います。

---:ご自身の技もあるのですか?

高橋:私はないです(笑)。つくってやっていけたらな、とは思っていますが…。外国人の方で、「スシロール」というような、日本の海苔巻きをイメージした技をつくっている人もいます。

---:そんなに技がどんどん増えていったら、審査側も評価が大変そうですね。

高橋:確かに大変ですね…(笑)。ただ、難易度の高い新しい技などは、失敗するリスクも高いので、仮にもっていても本番の試合ではやらない、といった場合も多々ありますね。

■世界で勝つために。

---:大会は年にどのくらい出場されるのですか?

高橋:国内ツアーは7試合。これまでは海外の大会に日本ランキングトップの選手として出場することができていたのですが、それは20歳までの選手のジュニアのクラスだったからなんです。今後は誰でも参加できるクラスになるので、費用のかかる大会を巡り、その中でランキングの上位を獲得しないといけない、いよいよという感じです。

---:世界の壁は、高いですか。

高橋:高いですね…。

---:世界のトップレベルの選手たちに勝つための戦略は。

高橋:そうですね…。「勝てないからそういった大会には出ない」という選択をする選手が多いのですが、そこに行って、「ぼろぼろに負けて自分の実力を思い知らされる」という体験をしないとダメだと思うので、どんどん世界のレベルを肌で味わう機会が必要だと思います。




---:普段の練習は?

高橋:基本的には仙台で練習しています。

---:どのようなスケジュールなのでしょうか。

高橋:早い時だと朝の4時頃から海に入ったりします。朝の方が波が弱いので。天気予報や天気図などとにらめっこしながら、練習場所を選んでいます。といっても、どうせ濡れるので雨や雪の時は関係なく練習しています。寒いだけです。(笑)

---:風邪など引かないのですか?

高橋:不思議と引かないのです。風邪気味の時に下手に休んだりすると海に入りたくて仕方なくなるので、逆に風邪気味の時こそ海に入っていく感じです。

---:大会は他の海で行うことが多いと思うのですが、環境変化への対応などは。

高橋:仙台の波は、日本でもトップ5に入るようなパワフルな波なので、そこで練習していると小波が苦手になってしまうというのは確かにあります。なので、小波が予想される大会の時は早めに現地入りして練習したり、板を削ってくれる方と相談して小波にも対応しやすいボードに変えるなどして工夫しています。

---:競技する上での苦労点は。

高橋:…寒いです。(笑)ウォータースポーツの共通点ですね。

■お金と競技生活。

---:現時点での目標は。

高橋:やはり日本ランキングのトップを狙うことですね。あとは海外の大会にもっと出たいと思っています。

---:日本の選手で海外をまわっている方は多いのでしょうか。

高橋:若手がほとんどですが、いますね。ただ、ヨーロッパの大会に行ったから南米の大会はやめておこう…。など、色々と工夫しているようです。

---:世界と戦う選手は若手が多いのですね。若手の方が資金面的に厳しいイメージがあるのですが。

高橋:先輩の選手は、みなさん家庭をもたれていたり、仕事をしながらサーフィンを続けている方がほとんどなので、なかなか海外をまわったりするようなことはできないのが現実なようです。正直、若手のお金持ちの家庭で、働かず学校にも行かない…。といったような状態で競技活動を続けることができる選手が一番有利ではありますね。

---:高橋選手は自分で費用をまかなわれているという状態。

高橋:高校を卒業したら自分ひとりで活動していくというのが父親との約束なので。

---: やはり、大会の賞金は遠征費用にあてるのでしょうか。

高橋:国内をまわるのには、自分のアルバイト代と、大会の賞金、スポンサー様からもらったお金でなんとかまわっています。ただ、資金面は、日本の大会で精一杯で、なかなか外の大会には出場できず、ポイントもつかなくなってしまうので、さらに上の大会には参加できない…、といった悪循環に陥ってしまっている面もあります。




■今しかできないこと。

---:大学に行くことや、会社に勤めるなどその他の選択肢を選ばずしてこの道一本でやっていくことを選んだ理由を教えてください。

高橋:やはり好きだからですね。大学に行って勉強したいこともあったのですが、高校時代、高校に行きながら競技活動をするだけでもいっぱいいっぱいだったので、大学に行きながら競技を続けるとなると学業がおろそかになってしまうことが目に見えていたので…。大学はサーフィンをやめてからでも行けるだろう、ということで、一本でやっていくことを選択しました。

---:大学はサーフィンをやめてからもいける、ということですが、大学に行くというのもこの先の選択肢としてあるのですね。

高橋:そうですね。高校の時にスポーツトレーナーとしての資格を取得したこともあるのですが、スポーツを教える側にまわりたいと思っています。そういう勉強はやめてからでもできると思ったので…。現在はやれるところまで競技活動に専念していこうと思っています。


▼編集後記

---:競技を続けてきたうえで経験したおもしろエピソードみたいなのありませんか

高橋:おもしろエピソードというか、約束していないのに、海に行けば友達が誰かしらいたり、波がいいところにサーファーが集まるので、日本では会えない日本人選手なのに海外に行けば会えたりすることが毎回あるのです。海が人を繋げてくれるというのをひしひしと感じますね。

バリ島は神様を大事にする場所なので、スピリチュアルな経験をしたこともありますよ。

深夜にノックをする音が聞こえたんです。でも、開けたら誰もいなくて。また1時間後くらいにノックの音があって、開けたらやはり誰もいなくて…。ということが3、4回続いたので、友達の仕業かと思って、いい加減にしてよ!と翌朝言ったら、「そんなことするわけないじゃん!」と。

その体験をホテルのボーイの人にしたら、「Minato、お前も経験したのか」って言われて。「え、なんのこと?」という感じだったのですが…。

結局その日に怪我をしたり、車上荒らしに遭ってしまい、荷物を全て盗まれたり、という。あれはきっと何かの危険を教えてくださったのだな…。と思いました。霊感も全くなくって、すごくビビりなんですけれども不思議と信じられて…。そんな経験をしました。

---:なるほど…。でも、お告げを受けたのに、結局対応できなかったのですね…(笑)

高橋:はい、できませんでした(笑)。

高橋みなと選手を応援する!

《大日方航》

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