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ソニーのウェアラブルグラスで震災被災地の記憶を継承…観光サービスで実用化へ

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ソニーのウェアラブルグラスで震災被災地の記憶を継承
ソニーのウェアラブルグラスで震災被災地の記憶を継承 全 7 枚 拡大写真
世界のモバイルデバイスが集合するスペインのモバイル・ワールド・コングレス(MWC)が過ぎ、ウェアラブル端末の熱も一旦落ち着きを見せている。

アップルのスマートウォッチに関する情報が小出しに各所から漏れ聞こえ、日本時間の3月9日深夜(10日午前2時)にいくつかの発表があるだろう。ナイキをはじめとするスポーツバンドはすでに競争激化の一途をたどっている。Googleグラスは、開発者向けの端末展開をストップしたが、同社の今後の展開はウェアラブル市場を占う上で大きな影響をおよぼすだろう。

日本を代表する企業、ソニーでも、ウェアラブルデバイスの展開を計画している。2014年9月、メガネ型のウェアラブル端末「SmartEyeglass」を開発、ソフトウェアキットの提供を開始した。2015年2月には、SmartEyeglass Developer Editionの発売を発表。3月6日に改定された最新の状況として、3月下旬の発売を予定する。

価格は10万円(税別)とし、ソフトウェア開発キットとの併用により、アプリ開発の促進を狙う。これに関しては、日本、アメリカ、イギリス、ドイツで先行投入する。

今回はソニーのウェアラブルグラスを用いた最新事例の詳細発表が行われた。アプリ開発はディー・エム・ピー社。同社は立ち上げ14年目で、宮城県仙台市青葉区に拠点を持つ企業だ。小林篤信代表は「震災後、仙台地域の企業でなにかできないか、という検討を重ねたところ、Androidアプリの開発者が足りないということが課題としてあり、被災地をAndroidアプリ開発のメッカにしようということで企業同士が連動して取り組みを進めてきました」と背景を話した。

宮城県名取市における観光の際に、ARグラスを使ったツアーを企画した。企画立案は高校生で、そのアイデアを支援する形でディー・エム・ピーが取り組んだ。

「NATORI AR HOPE TOUR」と名付けたこの企画は、官民、自治体の連動で行われる。ツアーバスの移動中にARグラスを通じて震災時の状況を表示する。また、現地の日和山から津波の様子などをわかるように情報をプロットしていく。

4年が経過している被災地は、震災遺構の保全や価値の発信のフェーズにあるとし、合わせてクリエイティブの地産地消を実現することを目指している。

今回は高校生のアイデアを企業や行政が連携して形にしていく「21世紀型の経済活動」と位置付けている。

ソニーのSmartEyeglassに関しても紹介が行われた。独自のホログラム光学技術により、85%の透過性を確保し、3.0mmのレンズ厚とした。映像表示原理は、ガラス板の両端にホログラム光学素子を組み込み、光学エンジンから出射した映像光をガラス板の中を伝搬させて目まで届けるというものだ。

ツアーは2015年度からの商品化を目指し、協議中としている。すでに語り部ツアーは実施されているため、ツアーの中に機器を貸し出し、付け加える形を予定している。

コンテンツとしては、震災後の日和山のパノラマ動画があり、2006年の日和山の様子も残っているという。その写真の一部をARで表示する。また、津波の高さに関しては、頭の動き、角度などから高さを換算して表示しているという。

《土屋篤司》

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