【山口和幸の茶輪記】2015年のツール・ド・フランスは東北ゆかりの都市や地域を歴訪する | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口和幸の茶輪記】2015年のツール・ド・フランスは東北ゆかりの都市や地域を歴訪する

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東日本大震災で被害を受けた宮城県南三陸町の防災庁舎
東日本大震災で被害を受けた宮城県南三陸町の防災庁舎 全 5 枚 拡大写真
東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた宮城県や岩手県の三陸海岸は、かつて自転車レースが盛んに開催されていたところだ。サイクリストに愛されたふるさとだが、2015年のツール・ド・フランスは奇しくも東北地方の姉妹都市やゆかりのある地域を訪問する。

2015ツール・ド・フランス勝負どころの概要が明らかに

■ツール第17ステージ出発地は釜石市と姉妹都市

2015ツール・ド・フランスは7月4日にオランダのユトレヒトで開幕し、大会4日目にフランスに入国すると時計と反対回りにフランスを1周する。第8ステージの出発地レンヌは宮城県仙台市と、第17ステージの出発地ディーニュ・レ・バンは岩手県釜石市と姉妹都市だ。

レンヌはブルターニュ地域の中心都市で、世界遺産モンサンミッシェルへの拠点となることから日本からも多くの観光客が訪れている。2000年の豊かな歴史と大切に保存され修復された文化遺産を持ち、6万人の学生が住む活気のある町だ。

ディーニュ・レ・バンはプロバンス・アルプ・コートダジュール地域圏にあり、その名のとおりプロバンスとアルプスと地中海に近いエリア。「レバン」というくらいだから温泉のわく保養地だ。

ツール・ド・フランスのコースからちょっと足を伸ばせば、パリ~ルーベのスタート地点として知られるコンピエーニュがあり、福島県白河市と姉妹都市。ちなみに「北の地獄」と呼ばれる石畳の悪路を走るパリ~ルーベは、パリからルーベまでのコースで争われると思われがちだが、実際にはパリから北に80km離れたコンピエーニュからのスタートだ。

■ツールは三陸牡蠣養殖とゆかりのある地域を通過

さらに2015年のツール・ド・フランスは三陸牡蠣養殖とゆかりのあるシャラント・マリティームとブルターニュ地域を通過する。フランスでは20世紀後半に牡蠣の病気が蔓延し、養殖産業が死活問題に陥った。そのとき牡蠣の幼生を提供したのが三陸の牡蠣養殖業者だった。



2015年ツールは三陸牡蠣養殖とゆかりのあるシャラント・マリティームとブルターニュ地域を通過


そして2011年に東日本大震災で三陸の同業者が壊滅的な被害に遭遇すると、今度はフランスで牡蠣養殖に従事している人たちが支援に乗り出し、養殖に必要な道具を空路で搬送するなど復興支援に乗り出した。第8ステージのゴールであるミュールドブルターニュ、第9ステージのバンヌ~プリュムレックが、彼らの住むブルターニュ地方である。

大震災から3カ月半後にフランスを訪れたときは、現地で顔なじみの関係者から「大丈夫だったか?」と温かい言葉をかけられた。それと同時に収束のつかない原発事故のさなかにあり、世界有数の原子力大国であるフランス人は他人ごととは思えない心のざわつきをにおわせていた。



震災後、牡蠣養殖用のイカダを作り直す三陸の漁師さんとボランティア


大震災から4年という歳月が流れたが、2015年のツール・ド・フランスをまわるときは日本とフランスとのつながりを感じながら旅をしてみたいと思う。だからブルターニュではおいしい牡蠣を味わう必要もある。

《山口和幸》

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