【小さな山旅】 ORAGEのハヤシライス…吾国山(3) | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【小さな山旅】 ORAGEのハヤシライス…吾国山(3)

オピニオン コラム
隠し味の赤味噌と3日間煮込んだ和牛の柔らかさが、加波山からひいた水で炊き上げた米とよく合う。とあるサイトのハヤシライスランキングで、全国4位に表彰されたほどの味である。【アクセス】ORAGE 欧風食堂茨城県桜川市上城231-2 ○営業時間 火~日・祝・祝前 ランチ 11:30~16:00(L.O 16:00) ディナー 17:30~22:00(L.O 22:00) 毎週月曜・第一火曜定休日
隠し味の赤味噌と3日間煮込んだ和牛の柔らかさが、加波山からひいた水で炊き上げた米とよく合う。とあるサイトのハヤシライスランキングで、全国4位に表彰されたほどの味である。【アクセス】ORAGE 欧風食堂茨城県桜川市上城231-2 ○営業時間 火~日・祝・祝前 ランチ 11:30~16:00(L.O 16:00) ディナー 17:30~22:00(L.O 22:00) 毎週月曜・第一火曜定休日 全 8 枚 拡大写真
「おらげにいこう」と言われ、「自宅に誘われているのだな」と理解できる人は、立派な茨城県民である(もしくは同様の方言のある地方出身の人)。

かたや、「ORAGEにいこう」と言われ、「ハヤシライスの美味しい欧風食堂に誘われているのだな」と理解する人は、よほどグルメな人である。

「おらげ=ORAGE」とは、私の家、もしくは家族を意味する茨城県の方言であり、茨城県桜川市にある欧風食堂の名前でもある。

茨城県民の若者の中には、茨城県民であることを明白にしたくないがために、茨城弁を使わない人もいる。「おらげ」という方言もあまり若者たちの口から聞くことはなく、もっぱら中年以上の男性が使う。若者たちはその意味を理解できてはいても、使用することは少ない(しかし、悲しいかな、イントネーションで他県の人には正体を見破られてしまうことが多い)。

これは悲しい事実である。方言とは、その土地特有の言語文化であり、誇るべき存在である。それなのに、このような現実がこの先も続くとあれば、方言自体を知らない人が増えてしまうことだろう。この非常事態に一矢を報いようとしたのかどうかは定かではないが、「ORAGE(おらげ)」という看板を掲げてお店を開いた人物がいる。料理人・直井学さんがその人だ。

直井さんは、幼い頃から母親が作ってくれるオムライスが大好物であった。やがて自分でもその味を再現してみようと思うようになり、作ってみたところ友人たちから好評を得る。そうして進んだ料理人への道。若くして様々な店へ修行に出る。

そして横浜のホテルでは料理長を、栃木市の欧風食堂では総料理長を務めるほどの腕前になった。退職後に、地元茨城県で「欧風食堂 ORAGE」を開店。食材は自分で作った野菜やハーブの他に、地元で作られた米や魚介類を使用している。地産地消にも貢献している洋食屋さんである。

ORAGEのウリは、ハヤシライスだ。フレンチやイタリアンを学んできた直井さんが作るハヤシライスは、見た目からして美味しそう。じっくりと煮込んだ和牛と隠し味の赤味噌が、深いコクを生み出している……。

という予備知識を得て、ハヤシライス大好きの筆者は、吾国山の下山後にORAGEを訪れた。桜川市近辺の国道50号沿いは、いかにも国道沿いといった風で雰囲気の良いお店は少なく、どこにでもある全国チェーンのお店が多い。そんな中に、ポツリと個性的なたたずまいのお店がある。

「ORAGE」。
そのお店の看板には確かにそう書かれていた。「おらげ……。本当におらげなんて名の店があるのだな」茨城弁丸出しのそのネーミングの潔さに、よりいっそうの興味がわく。

店に入ると、お洒落で過ごしやすそうな空間が広がっていた。店員さんも直井さんも感じの良い人で、アポなし取材も即OK。さっそく振舞ってくれたのハヤシライスは、とても「おらげ」では作れないだろう味がした。

山に登ったあとに、地元食材を利用した美味しいお店でごはんを食べる。これは、ちょっとした、いや、かなり贅沢な旅である。

《久米成佳》

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