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【THE REAL】世界レベルの「怪物」へ…苦労人・米本拓司が立ったロシアへのスタートライン

オピニオン コラム
米本拓司 参考画像(2012年7月18日)
米本拓司 参考画像(2012年7月18日) 全 5 枚 拡大写真
■バックアップメンバー12人に含まれる

出場資格のあったロンドンオリンピックには、残念ながら間に合わなかった。しかし、2013年シーズンに入ると、中盤で獰猛に相手ボールを奪い取る光景も完全復活。故障前と比べて力強さも増しながら、ゆっくりと、そして確実に階段を登ってきた米本に焦りはなかった。

迎えた2015年3月19日。新生日本代表メンバー31人を発表したバヒド・ハリルホジッチ監督は、同時にバックアップメンバー12人の名前を読み上げている。

12人のなかに含まれていた米本は、過密日程の合間を縫って今月12日から千葉県内で行われた、国内組を対象とした日本代表候補合宿にも招集されている。

バックアップメンバーや候補の但し書きがついているとはいえ、新監督が描く構想のなかに入ったことは、3年後のワールドカップ・ロシア大会へ向けたスタートラインに立ったことを意味する。


米本拓司(2011年)

実に5年4カ月もの空白期間を経て、再び目で見て、肌で感じたA代表の雰囲気。それでも、昂ぶる気持ちを抑えるように米本は自らの足元を見つめている。

「名前が挙がったことは嬉しかったですけど、これで満足しないように。(自分よりも)うまい選手が大勢いたので、もっともっと自分にも伸ばさないといけない部分があると思いました」

1泊2日で行われた代表候補合宿で、ハリルホジッチ監督と個人的に面談する機会はなかった。それでも、全体ミーティングを通じて発信されたメッセージは明確だった。

指揮官はバルセロナが3対0でバイエルン・ミュンヘンを一蹴した、UEFAチャンピオンズリーグ準決勝ファーストレグの映像をピックアップ。その上で選手たちにこんな檄を飛ばしている。

「このレベルをスタンダードにしろ!」

球際の激しい攻防。攻守の切り替えの速さ。試合終了まで衰えない運動量と気迫、そして集中力。常日頃から意識しなければ成長できないと、ハリルホジッチ監督は激しい口調でまくし立てたという。

今回の代表候補合宿に、ボランチとして招集されたのは4人。米本と山口、ベテランの今野泰幸(ガンバ大阪)、センターバックを本職とする谷口彰悟(川崎フロンターレ)は、いずれも中盤における守備力をストロングポイントとして、指揮官のメッセージをピッチ上で真っ先に体現する役割を担う。

ボール奪取力では誰にも負けない。自らの武器に絶対の自信をもっているからこそ、米本の青写真には代表に生き残っていくための道筋が描かれている。

「運動量や中盤での守備の部分が買われて(代表候補に)入っていると思うので、それにプラスアルファしていかないと。攻守両面でチームに貢献することが求められるなかで、自分の課題は特に攻撃面でスイッチを入れる役目を果たせるかどうかですから。まだスタートラインに立っただけ。ここからだと思うので、もっと上のレベルへいけるように、チームで頑張っていきたい」

まだ24歳。乗り越えてきた艱難辛苦を未来への糧としながら、米本がワールドクラスの「怪物」へと変貌を遂げるための時間は十分にある。
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《藤江直人》

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