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Netflix、ヘイスティングスCEO「スポーツ配信しない」

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ファウンダー兼CEO最高経営責任者を務めるリード・ヘイスティングス氏
ファウンダー兼CEO最高経営責任者を務めるリード・ヘイスティングス氏 全 4 枚 拡大写真
 定額動画配信サービスの「Netflix」は2日、日本でのサービスを開始した。それに合わせて、同社からは本国でファウンダー兼CEO最高経営責任者を務めるリード・ヘイスティングス氏が来日。東京・六本木のグランド ハイアット 東京で合同取材を行った。

 合同取材にあたって、まずヘイスティングス氏からサービスについて、かんたんな説明があった。

「Netflixは言葉を尽くすより、実際に試してもらうのが一番分かりやすい。なので、まずは無料で1ヵ月観てもらって、気に入ったら会員になってもらいたい。その入り口として、月額650円という手の届きやすいプランを用意しました」

 なお、同氏の今までの経験によると、Netflixのユーザーは、主に口コミで広がっているという。ただし、今後1年間については数字を追うのではなく、まずユーザーの満足度を高めることを目標にするとのこと。その上で、長期的な展望としては、7年間で全ブロードバンドユーザーの1/3ぐらいの会員獲得を目指すという。これは、アメリカではすでに実現している数字で、他国でも同じような成長率を見せているとのことだ。

 「近年ではCBSやBBCなど、多くのテレビ局がインターネットテレビに進出しました。その中で、我々は素晴らしい映画やドラマなど、観ていて楽しいエンターテイメントをお届けしていきたい。例えば、日本発のテラスハウスといった番組の市場を、よりグローバルに開拓していきたいと考えています」

 その後、会場ではヘイスティングス氏が、各記者からの質問に対応した。ここでは、その様子を紹介する。



■日本発オリジナルコンテンツ、テラスハウスに続くのは?

--- 先日、日本では自国のコンテンツに対する需要が高いという話がありました。Netflixではサービスを提供するにあたり、日本のユーザーに向けては、他国より多く自国のコンテンツを提供するのでしょうか?

「それについては、まず日本でどんなコンテンツが人気かを知ってからですね。Netflixではマシンラーニングというアルゴリズムで、多くのユーザーが視聴するほど、その傾向を学ぶことができます」

--- では、視聴傾向に合わせて、日本でのコンテンツの増やし方も変わるのでしょうか?

「はい、そうなります。どの部分を強化すべきかが見えてくるわけですからね」

--- それは、ローカルとオリジナル、どちらのコンテンツにも言えるのですか?

「はい」

--- オリジナルコンテンツでは、アニメの制作も進んでいるのでしょうか?

「はい、アニメは世界でも人気のコンテンツなので、日本のプロデューサーの方とお話させていただいています」

--- 日本ではニュースやスポーツなどの生放送も人気です。それらをNetflixで配信する計画はありますか?

「ノーです。スポーツやニュース、音楽、書籍などは配信しません。何かに秀でたいと思えばフォーカスが必要ですし、それがNetflixでは映画やドラマだと考えています」

--- Netflixでは近頃、ウォシャウゥキー姉弟や又吉などから、作品の映像化権を獲得されました。こうしたコンテンツを、なぜNetflixで放映できたのでしょうか?

「例えば、又吉さんや吉本さんにも、様々なオプションがあったと思います。その中でNetflixを選んでいただけたのは、我々が大事にしている“自由”と“選択”という部分に、クリエイターの方が共感してくださったのだと思います」

--- Netflixで提供しているコンテンツのうち、ヘイスティングス氏がお気に入りのものは何ですか?

「今はナルコスです。時差ボケで速く起きてしまったので、今朝も観てきました」



■4KやHDRの高画質コンテンツは日本で普及するか?

--- Netflixではコンテンツの多くが4K画質に対応しています。これは、日本での4K普及にどの程度貢献されるとお考えですか?

「4K画質に対応したテレビは、多くの国で今年から販売を開始するといった段階です。普及率をパーセンテージで見ても、まだ1桁台ではないでしょうか。ただ、一つ言えるのは、現在もっとも多くの4Kコンテンツを有しているのがNetflixだということです。状況にもよりますが、Neflixの全視聴時間のうち、5%~10%が4K画質で観られています」

--- 映像のHDR化について、すでにNetlflixでは対応を表明されています。現状の進展状況はいかがでしょうか?

「現在テレビメーカーとHDR化の作業を進めているところです。スタンダードな規格がまだ確定していないので、それを待ってからのお届けになると思います。現在撮影しているコンテンツについても、サービスが対応した時点で、HDR化したものをご提供できる体制を作っているとこです。ただ、現時点ではスタジオで使用するような高価なモニターが必要になるため、来年、その次の年で家電への対応が見えてくるのではないでしょうか」

■2016年、Netflixは世界を席巻する!?

--- 今後の日本に次ぐアジア展開について、何かお考えはありますでしょうか?

「実は来年にでも世界中でNetflixのサービスを開始したいと、もうすでに考えています。YouTubeのようなイメージですね」

--- オリジナルコンテンツについても、全世界で制作が開始されるのでしょうか?

「全部とは言えませんが、大きな国ではオリジナルコンテンツを制作していきます」

--- それらの国で作られたコンテンツも、世界中で観られるようになるのでしょうか?

「韓国、中国、インドなど、どこで作られた番組でもグローバルで観られる。それはヨーロッパと変わりません。皆さんが個人で絶対観られないような量のコンテンツをご提供できると思います」

--- Netflixはテレビとの新たな関係を生み出すことになると思います。そのビジョンがありましたら教えてください。

「大きく二つのイメージがあって、それが“自由”と“選択”です。このうち、“自由”とは、いつでも、端末を選ばずコンテンツを視聴できるということ。そして、地上波のように時間ごとに単一の番組を観るのではなく、観たいコンテンツを“選択”することになるでしょう」

--- 今後10年、20年でテレビ放送はどのような進化を遂げていくのでしょうか?

「恐らくテレビが大きなタブレットになるのではないでしょうか。その中にNetflixアプリがあって、NHKやオリンピックといったアプリも登場するかもしれません。多くの競合他社が表れて、全く異なるコンテンツを提供することになると思います」

遂にローンチしたNetflix、日本進出の戦略は?……本国CEOのヘイスティングス氏が描く未来像

《飛田九十九@RBBTODAY》

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