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【THE ATHLETE】メジャーリーグがプレミア12不参加…参加国に大きな影響与える決定

オピニオン コラム
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アメリカメジャーリーグ機構(MLB)は、11月に行われる野球の国際大会「プレミア12」にメジャー選手を派遣しないと決めた。これはアメリカや日本だけでなくカナダ、ドミニカ、メキシコなど様々な国に影響が出ることになる。

MLB広報がTwitter公式アカウントで伝えたのは、日本時間9月1日のことだった。その後あらためて関係者が認めた。

より正確に発言を伝えるなら「メジャーリーグ機構は、11月に行われるプレミア12に、40人枠外の選手を派遣することで合意した」となるが、言い方を変えても内容は変わらない。40人枠に含まれないマイナーリーガーは各球団の判断で派遣できるが、基本的にメジャーリーガーは出さない方針だ。
■オリンピックの野球競技廃止が尾を引く決定

野球競技は2008年の北京を最後に五輪種目から除外された。その影響は大きく、国際オリンピック委員会からの補助金を失った国際野球連盟は、国際大会の開催費などがかさみ深刻な財政難に陥る。

苦難を乗り切るため国際野球連盟はMLBからの資金援助を受けることになったが、その条件としてMLB側からの要求に同意させられた。これまで国際野球連盟が主催してきた大会の廃止や、MLBとMLB選手会が主催するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を頂点に置く、国際大会の整備などだ。

今後、国際野球連盟は国際ソフトボール連盟との統合団体、世界野球ソフトボール連盟へ順次移行し、五輪での野球・ソフトボール競技の復活を目指す団体となる。

ロンドン五輪での競技廃止が決まった4年間から現在までに起こった、野球をめぐる国際的な動きを駆け足で追ってきた。こうした経緯から国際野球連盟はMLBに逆らえず、MLBは自分たちが主催するWBCの格が下がるような真似はしたくない。

■MLBの決定は世界的な影響をおよぼす

世界各国にリーグがあり、それぞれが独立した運営を行っている野球だが、その頂点は間違いなくMLBだ。多くの選手はMLBでの活躍を夢見る。

経営規模、先進性、華やかさ。いずれもMLBに敵うリーグはない。必然的に世界中のトップ選手はMLBに集まり、MLBが彼らを出さないと決めれば、選手選考にも多大な影響を与える。

特にメジャーで活躍する選手が多い北中米の国には深刻だ。はっきり言えば現役のトップ選手は誰も呼べないことになる。「プレミア12」という大会名すら皮肉に感じられる決定だ。

かつてのオリンピックでもそうだったがMLBは野球の普及や、世界的な人気には興味なく、国内の巨大なマーケットをいかに発展させていくかに注力しているのだろう。魅力あるリーグを作ることで新たな才能が集まり、さらにMLBは成長していく。

各球団にしても選手は高いサラリーを払っている商品なのだから、シーズンの成績と関係ない大会で万が一にもケガなどされたら困るという意識がある。

どちらも理解はできるが、この様子だと本格的な野球の五輪復帰は遠そうだと感じざるを得ない。

■「プレミア12」は将来の大物メジャーリーガを探しながら楽しもう

決まってしまったことに文句ばかり言っても仕方ないので、こうなったらトップ選手同士の対戦とは違う、別な楽しみ方を考えよう。

バルセロナ五輪では、当時まだプロ選手の派遣が認められていなかった大会にアメリカは大学生を送り込んだ。その中にはノマー・ガルシアパーラや、ジェイソン・ジアンビなど後に長くメジャーで活躍選手も含まれていた。

今回もそうした金の卵を探す楽しみはある。ドミニカやカナダ、キューバについても同様だ。

それにWBCの優勝で記憶が薄れている感もあるが、日本はオリンピックで1度も金メダルを獲っていない。マイナーリーガーに国内トッププロをぶつけたからといって、簡単に勝てるほど1発勝負の国際大会は甘くない。

2017年のWBCで王座を奪還するため、今から国際試合に選手やスタッフを慣れさせておく意味でも、他国の事情に関わらずきっちり勝っておくことが求められる。

《岩藤健》

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