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【ツール・ド・東北15】石巻の家庭に泊まる"民泊"…市民が自宅を提供、ライダーと交流する

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【ツール・ド・東北15】石巻の家庭に泊まる
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宮城県沿岸部で9月13日に開催されたツール・ド・東北2015では、参加するライダーが前日に泊まる宿泊先として"民泊(ホームステイ)"を用意した。

2013年の第1回大会から実施している民泊は一般家庭の協力のもとに行われ、各家庭にライダーたちが泊まるシステムだ。石巻市に住む今村文三さんは、第1回から民泊に自宅の一室を提供している。大会前日の12日に今村さんの自宅を訪ねると、3人のライダーとひとりの応援者が泊まっていた。

「去年泊まってくれた子たちが、また来てくれたんです」と今村さんは笑顔で教えてくれた。1年前に宿泊したふたりのライダーが再び泊まりにきたのだ。まるで遠くに住む子どもが帰省してきたかのような、あたたかい空気が今村家には流れていた。

今村さんの家は震災時に大きな被害はなかったが、ライフラインが停止したために被災した人々を受け入れる余裕はなく、何もできなかった。2年前、ツール・ド・東北が民泊の受け入れ先を募集をした時に「今はライフラインも復旧したし、皆さんに何かを提供して、震災の話を直接聴いてもらえたら…」と思った。震災で全国の人々から助けてもらい、その恩返しをしたい今村さんの気持ちが民泊でのライダー受け入れにつながった。

昨年も今村さんの家に宿泊したライダーは、民泊を選んだ理由を「ホテルがなかったから民泊にしました」と振り返る。特別な理由があったわけではない。ツール・ド・東北のスタート&ゴール地点である石巻周辺のホテルに空き部屋なかったという理由だけで選択した民泊だったが、それが出会いのきっかけになった。

今村さんは民泊の受け入れで自転車にも興味を持った。「みんなが楽しそうに乗っているから」と自身もロードバイクを購入して練習を始め、2015年は100kmコースの北上フォンドにエントリーした。民泊で泊まった女性ライダーと一緒に同じコースを走った。

「一緒に走って楽しみたい。皆さんの仲間入りをさせてもらえれば」とビールを片手に楽しそうに話してくれた。大会当日、スタート地点にサイクルウエア姿で登場した今村さん。60代後半で見つけた新しい趣味と仲間に笑顔が隠せないでいた。

民泊は2013年は32家庭の協力で43部屋の提供、100人が宿泊した。2014年は 54家庭で86部屋、185人だ。2015年は59家庭、99部屋に198人が泊まっている。また来年も多くのライダーが地元の方々と触れ合い、「東北にまた来たいな」と思うのではないだろうか。

《五味渕秀行》

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