その背景としては、ひとつに球場確保の問題もあった。結局試合数が増えることによって、各週2会場で試合を行わざるを得なくなったのだ。しかも、試合は原則として授業に支障をきたさない土日のみ実施という大前提がある。それを遵守するためには、球場確保は多少ローカルでもいとわないということになり、今季はメインとなっている平塚市のバッティングパレス相石スタジアムひらつかから、茨城県・土浦市営球場場や千葉県柏市・柏の葉公園球場に相模原球場、昭島市民球場など各地を転々としていかざるを得なくなっていた。
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城西大ナイン
球場確保もさることながら、神奈川県伊勢原市の東海大から茨城県つくば市の筑波大まで加盟校が関東各地に点在していることで、それぞれの移動時間の影響によって、多少チームの有利不利があるという問題も生じてきた。
1964(昭和39)年に、東都連盟から分離独立する形でスタートし、50年以上の歴史を有する首都リーグ。かつてはメディアとしては東京タイムズ社が後援していたが、その東京タイムズ時代から首都リーグを担当し、歴史はもちろん、その運営にも詳しいスポーツジャーナリストの平田明夫氏は嘆く。
「首都リーグとしては、川崎球場をメインとして使用していた時代が、一番落ち着いていたと思います。折しも、東海大に原辰徳さんらスター選手もいましたし、リーグとしても東京六大学や東都連盟に追いつけと、力をつけて台頭し始めてきていた時代でもありました。しかし、川崎球場がやはり老朽化の問題で使用できなくなり、リーグ戦もさまざまな会場を使用してジプシーみたいになってきてしまいました」
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柏の葉球場での首都の熱戦
また、それとは別に運営上の各校の分担金の問題などもあり、来季からの6校リーグへの再移行がスムーズにいくかというと、今期の順位からの一部と二部の割り振りなど、未確定の要素も多く、もうひと揺れしそうな背景もあるという。
リーグ戦そのものは、優勝争いも7勝3敗で東海大と日本体育大に、新鋭の桜美林大が並ぶなど混戦となった。下位争いも城西大が東京経済大から今季初勝利を挙げて、混沌としてきて興味深くなっているものの、リーグ編成に関する部分も別の意味で混沌としてきているようだ。