その記念すべき第1回となる『湧水をたずね、野点であそぶ』に、僕も参加しました。当日集まった参加者は5人。まだ知名度が低いということはありますが、告知には工夫が必要でしょう。まあ、おかげでサイクリングを心ゆくまで楽しめたわけですが…。
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教室の黒板を利用して、多摩川沿いの情報を書き込む地図が用意されている
スポーツバイクのレンタルも用意されているため、手ぶらで出かけた僕は真新しいMTBを借りることに。参加者の中にはスポーツバイク初心者もいましたから、ナビゲーターを務める小池一介さん(『華麗なる双輪主義 スタイルのある自転車生活』の著者で、イギリスの自転車事情に精通)が乗車前のチェックと乗り降りの仕方についてひととおり説明。それが終わったらいよいよスタートです。
まずは多摩川左岸のサイクリングロードを下流に向かいます。この道はすでに多くの人が指摘されているようにジョギングをする人や散歩をする人、そして自転車に乗る人が狭い空間を共用。事故を引き起こす危険性は高く、ロードバイクでの練習走行や集団走行は自粛すべきと感じました。
スピードを出したい人は、並行する車道を走ればいいわけです。もっとも根本的な解決を図るには、歩行者と自転車を完全に分けるほかはありません。河川敷などを使って、新たに道を造ることが求められます。
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郊外とはいえ、都内とは思えない光景。収穫を間近に控えた稲穂が頭を垂れている
そのサイクリングロードから離れ、矢川緑地へと向かいます。立川崖線に沿ってのびる矢川は、あちこちに湧水が…。ということで都市の小河川でありながら、清冽な水が流れるうえ緑陰も濃く、そこを走るだけで自然と心身がリフレッシュされます。
また、沿道の風景も次々と移り変わり、単調になりがちな河川沿いのサイクリングロードと異なって飽きることはありません。途中には古民家を移築したその名も国立市古民家や、中世の居館跡となる城山公園、東日本の天満宮として最も古く、湯島天神や亀戸天神とともに関東三天神と称される谷保天満宮などもあり見どころは豊富です。僕自身は田んぼを目にしたとき、都内とは思えないその光景に驚かされました。
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甲州街道沿いにあった江戸時代からの農家を移築したもので、無料で公開されている
それらに立ち寄りながらのんびりと進んだわれわれは、再度合流したサイクリングロードではまた脇に逸れ、小池さんが淹れてくれたコーヒーやお茶を飲みながらひと休み。ママチャリにしか乗ったことのない初心者も、サイクリングプラスアルファを満喫できたようです。
たちかわ創造舎では11月15日(日)に、いにしえの水の道筋をたどる『TAMAGAWA 水の道・らいど』を開催。こちらは締め切りが10月25日(日)とギリギリで間に合いますから、申し込んでみてはいかがでしょうか。