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【THE REAL】湘南ベルマーレがJ1残留を成就させた舞台裏…曹貴裁監督と選手たちを結ぶ熱い絆

オピニオン コラム
湘南ベルマーレ
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■プロセス重視が浸透

2年前の11月23日。くしくも同じ味の素スタジアムでFC東京に屈し、ベルマーレのJ2降格が決まった。

後半のアディショナルタイム。FWヴチチェヴィッチに決勝ゴールを決められる直前に仕掛けたスライディングタックルをかわされ、突破を許したのは古林だった。

悔しさと無念さ、そして成長への誓いを込めて、古林はいまも失点シーンを脳裏に刻んでいる。

「去年はここのスタジアムでJ2優勝を決めたけど、自分は何も貢献できなかった。今日こうして勝って、ゴールも決めて残留を決められたことで、少しは結果を残せたかな。もっとも、慣れないポジションといっても、与えられたからには90分間フル出場して、最後までハードワークしないと。まだまだですね」

3試合を残して決めたJ1残留。球際の攻防を含めたハードワークでFC東京を凌駕し、味の素スタジアムにおける初勝利で目標を成就させた曹監督は、いままさに成長途上にあるチームをこう語る。

「シュートを決めたからと言っていいわけじゃない。勝ったからと言っていいわけじゃない。負けたからと言って悪いわけでもないと、ずっと通してきた。要はプロセス、そこに至るものが重要。勝ったけどこれはいけないプレーなんだ、逆にリスクを冒して点を取られたけどゴールを奪うためには必要だったんだという基準を、どんなときでも選手たちに提示するのが監督の責任。それを彼らが自分たちで判断してやれるように少しなってきたかな、という思いはありますね」

ピッチで戦うのは選手。キックオフの笛が鳴り響けば、監督にできることは極めて限られてくる。

■「すぐ泣く人ですからね」

自立を促すために悪戦苦闘を味わわされたが、その過程で選手たちに示してきた最低限の「処方箋」が少しずつ、時間をかけて効果を発揮してきたからこそ果実を手にすることができた。

古林に副キャプテンを任せたシーズン始動前の決断も、もちろん「処方箋」のひとつ。曹監督が意図を説明しなくても、そこに込められた熱い想いはしっかりと伝わる。

FC東京戦後の公式会見で、曹監督が思わず声を詰まらせ、いまにもこぼれ落ちそうな涙をこらえるために天井を見あげるシーンがあった。

ジュニアユースでプレーしていた2005年シーズンから、曹監督と誰よりも長いつき合いがある古林が苦笑いする。

「すぐ泣く人ですからね。でも、試合後のミーティングでは普通でしたよ」

コーチから監督へ昇格して4シーズン目。それ以上に、アカデミーを統括する立場で曹監督がベルマーレの一員になって11年目。喜怒哀楽を共有しながら築かれたあうんの信頼関係こそが、J1への「住民票」を手にできた最大の要因だった。
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《藤江直人》

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