【THE ATHLETE】エリック・ホズマーが見せたロイヤルズ流…30年ぶりの世界一 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE ATHLETE】エリック・ホズマーが見せたロイヤルズ流…30年ぶりの世界一

オピニオン コラム
2015年ワールドシリーズ第5戦、エリック・ホズマーがサードゴロの合間の走塁で得点(2015年11月11日)
2015年ワールドシリーズ第5戦、エリック・ホズマーがサードゴロの合間の走塁で得点(2015年11月11日) 全 6 枚 拡大写真
11月1日にワールドシリーズ第5戦がニューヨークで行われた。延長十二回に5点を勝ち越したカンザスシティ・ロイヤルズが7-2でニューヨーク・メッツを下し、対戦成績を4勝1敗として2015年MLBナンバーワンチームに輝いた。

サンフランシスコ・ジャイアンツに敗れてから1年、大舞台に戻ってきたロイヤルズは昨年の若さと勢いに経験が加わっていた。

■カムバックチームによるワールドシリーズ制覇

2014年、29年ぶりにアメリカン・リーグを制したロイヤルズ。飛び抜けた選手はいないが守備走塁に隙がなく、生え抜きの若手中心で並み居るスター軍団を破り続ける姿が注目を集めた。

オークランド・アスレチックスとのワイルドカードゲームを制すると、アメリカン・リーグ優勝決定戦まで圧倒的な勢いで制し、このまま世界一へ駆け上がるのではとも感じさせた。だがワールドシリーズでは常勝軍団ジャイアンツと、智将ブルース・ボウチー監督の前に敗れる。


2014年、ロイヤルズはワールドシリーズで敗れる

あと一歩で逃した世界一の座を奪還するため、今年は春先のキャンプから明確な目標を持って臨んだ。そしてチームは期待された通り2年連続でア・リーグを制し、ワールドシリーズの舞台に戻ってきた。

■勝負強さは健在、今年も魅せた逆転のロイヤルズ

ロイヤルズ野球最大の特徴といえば、盤石のリリーフ陣が真っ先に挙げられる。クローザーのグレッグ・ホランドはプレーオフ前に右ヒジ靱帯断裂が発覚し、トミー・ジョン手術を受け離脱したが、それでも必勝パターンは健在だった。

終盤の競った展開になると分が悪いメッツは、早めにリードしてロイヤルズのリリーフ陣に仕事をさせたくなかった。その意味で第1戦は途中までいい展開だった。六回表を終わったメッツは3-1とリード。敵地で先勝するかと思われた。

だがロイヤルズはマイク・ムスターカスのタイムリー安打で同点に追いつく。エラー絡みでメッツは八回表に勝ち越すが、九回裏にロイヤルズはアレックス・ゴードンのソロ本塁打で再び同点に追いついた。そして延長十四回にエリック・ホズマーの犠牲フライでサヨナラ勝ちを収める。


第1戦でロイヤルズはサヨナラ勝ち

ロイヤルズはシリーズで挙げた4勝すべてが逆転勝ち、しかも3勝は八回以降の得点で競り勝っている。プレーオフ全体でも11勝のうち8勝が逆転という内容だった。

■好判断と積極的な姿勢が光った走塁

第5戦のロイヤルズ打線は八回まで、メッツのマット・ハービーに4安打無得点と完璧に抑え込まれていた。勝負は3勝2敗で王手をかけたままカンザスに戻るかと思われた。しかし九回、完封ペースでマウンドに上がったハービーから、ロレンゾ・ケインが粘って四球で出塁すると流れが一変。ホズマーがタイムリー二塁打を放ち、1-2とロイヤルズが1点差に詰め寄った。

メッツは投手をクローザーのヘウリス・ファミリアに交代する。ファミリアはムスターカスをファーストゴロに仕留めるが、その間にホズマーは三塁に進んだ。外野フライも許されない状況でファミリアはサルバドール・ペレスにサードゴロを打たせる。アウトカウントひとつ増えて次のバッターで勝負。誰もがそう思った瞬間、ホズマーがホーム目がけて走り出した。

一塁からいい送球がくればアウトだったが、メッツの一塁手ルーカス・ドゥーダが守備難であることをロイヤルズは知っていた。慌てて投げたドゥーダの送球は大きく逸れ、ホズマーが同点のホームに滑り込む。



■勝負のポイントは「いつも通りの野球」

奇策とも見えるホズマーの走塁だが、本人は試合後「私は我々がいくつかのポイントで、アグレッシブになる必要があると知っていました。もしそれがうまくいかなければ、今こうしてここにはいないでしょう。これこそ私たちが1年間やってきたことです」と話している。


走塁したオズマー

「ファミリアからヒット打つのが難しいのは分かっていました。これこそ私たちの野球です。私たちの野球を通常のスタイルじゃないと言う人もいますが、これが私たちのやり方なんです」

大舞台でも冷静に自分たちのスタイルを貫いたロイヤルズ。昨年のワールドシリーズでジャイアンツと対戦し、勝ち続けるチームとはどういうものか肌で感じた経験が活かされた。

一方のメッツは、最終回に頭からファミリアを登板させず、打たれたあとに慌ててクローザー投入。結果的に悔やまれる判断となった。

《岩藤健》

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