脈拍が教える、エネルギー源…炭水化物依存か、脂肪依存か | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

脈拍が教える、エネルギー源…炭水化物依存か、脂肪依存か

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ポラール、手首で心拍を計る活動量計「A360」、11月21日に発売開始
ポラール、手首で心拍を計る活動量計「A360」、11月21日に発売開始 全 2 枚 拡大写真
ポラールは、手首で心拍が計測できる活動量計「A360」を発売する。これに先立ち、11日、都内で発表会を開催した。

発表会には、東北大学の永富良一教授が登壇し、スポーツと心拍の関係について解説を行った。

***永富教授***

我々は、1980年代から使わせてもらっていますが、長らくポラールの技術は、スポーツ科学分野にとって必須のアイテムでした。

運動量不足、活動量不足は国民的課題とした上で、私どもの研究はこの課題を解決するために進めています。

脈拍、これは心臓のポンプ機能のことです。これにより体に栄養や伝達物質を届けます。ホルモンもそのうちの一つです。いろいろな物質が情報交換を体の中で行う際に、血液が送っているということです。

また運動をすると酸素が必要なります。これも送り届けるし、合わせて老廃物も運搬します。

運動するときには必ず、骨格筋をつかいます。筋肉が収縮するときには必ず酸素をつかいます。そして運動が終わった後は必ず酸素をつかいます。酸素は脂肪、炭水化物を処理、燃焼して、分解、二酸化炭素と水に変わります。

■心拍数から何がわかるか

心拍数を計ったことはありますか。

安静時は50~70、運動をしている方は40台という方もいるかもしれません。酸素を送るために心臓がたくさん働く、ということです。

運動を始めると、脈拍が上がり、酸素摂取量が増えます。脈拍がわかるとつまり、エネルギー消費量がわかります。運動時のエネルギー消費率がわかるということは、運動の強度がわかります。

最大心拍数は年齢に依存しています。およそ220~年齢です。

このときの酸素の量というのを、最大酸素摂取量といいます。マラソン選手などはこれが高いわけです。持久的な要素があるスポーツ選手は高いです。また、トレー二ングによって変わります。これが心拍数からわかることの一つです。

■筋繊維が束になっている筋肉

筋繊維はいくつかの種類があります。おもには速筋繊維と遅筋繊維です。遅筋繊維は脂肪に依存し、速筋繊維は炭水化物に依存しています。

軽い運動は脂肪依存の筋繊維でこなせるのですが、強い運動では速筋繊維をつかいます。速筋繊維は疲れやすく、長い時間の運動はできません。

エネルギー消費からすると、強い運動は炭水化物、弱い運動は脂肪に依存します。つまり、心拍数が高くなるほど、炭水化物に依存します。

自分の心拍数の最大値がわかれば、どのくらいの心拍数がどういう質の運動かということがわかります。最大値をベースにしたパーセンテージで心拍を区切れば、脂肪燃焼なのか、炭水化物なのか、という運動の強弱がわかります。

体を動かすということは、体が重力に反するということで、体自体が負荷になります。同じ負荷でも、効率良く行えればレベルが高い。アスリートはそういうところを目指しています。

■高齢国、日本

日本は世界一の高齢国で、介護が必要な方も増えています。高齢の方々にもトレーニングをしていただく。持てるリソースを効率良く活用するということです。

もうひとつは肥満に伴う問題。スポーツの脂肪燃焼と、健康時の脂肪燃焼は違う概念だと思いますが、いま世の中では、「楽して脂肪燃焼」などと良く言われます。メタボリックシンドロームなどは、体が悪い状態に向かう予備軍ということですが、筋肉は楽すると落ちてきます。逆に使うと付いてきます。

つまり楽をするのではなくて、高効率のトレーニングをしていただいて、意欲、スキルの要素も感じながら取り組んでいただくということが良いのかなと思います。

運動の質を見るために、心拍数を活用するということは体力の向上につながると考えられます。

《編集部》

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