【THE INSIDE】年内のアマチュア野球を締めくくる明治神宮野球大会 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE INSIDE】年内のアマチュア野球を締めくくる明治神宮野球大会

オピニオン コラム
明治神宮大会の告知
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11月に入り、アマチュア野球界も年内の締めくくりの大会になっていく。社会人野球では、大阪の京セラドームで開催された日本選手権が毎年の締めとなる。

大学野球と高校野球は明治神宮外苑野球場に集結して、それぞれ秋の日本一を競う戦いがある。今年で46回目の開催となった明治神宮野球大会だ。ただ、この大会の存在は当初から微妙に形態を変化させながら今日に至っている。

大学野球はドラフト会議の指名を終えた4年生の選手も出場して、母校のユニホームを着ての最後の大会。秋の大学日本一を置き土産に卒業という有終の美も飾れる舞台にもなる。


亜細亜大・石塚選手

地方大学にとってはリーグ戦を経て、さらにその上で明治神宮大会出場決定戦をトーナメントで戦っての出場。ある意味、リーグ優勝でそのまま全国大会出場切符が与えられる6月の全日本大学野球選手権大会よりも出場枠は厳しい。ことに関東地区では、2位校も参加して東京六大学と東都連盟を除く5連盟(首都、神奈川、千葉県、東京新、関甲新)の10代表が関東選手権として関東一を競うとともに、決勝進出校に出場枠が与えられるがそのハードルはかなり厳しい。

実際、来季のドラフトの目玉ともいわれている田中正義投手(3年)を擁する創価大が上武大に敗れ神宮大会には出場できなかった。そして上武大とともに関東枠の代表校となった東海大がいずれもベスト4に進出を果たしているという結果を見ても、そのレベルの高さが窺われる。

結果的には、東都連盟の亜細亜大が延長14回で東京六大学の早稲田大を下して2013年以来の優勝を果たし、東都連盟としては昨年の駒澤大に続いて3年連続の秋の大学日本一となった。

この大会は今でこそ、東都と六大学のリーグ優勝校と他は代表決定戦を勝ち上がっての代表ということになっているが、当初はいろいろ試行錯誤をしていた時もあったようだ。春の大学選手権優勝校には出場権が与えられ、東都や六大学は2校が出場していたこともあり、1976年の第7回大会では法政大と早稲田大という六大学同士で決勝が争われたこともあった。

1986年に愛知連盟の愛知工大が優勝し、翌年は首都連盟の筑波大が優勝するなどで群雄割拠の様相も呈してきていたが、1988年は昭和天皇のご不例のため大会が中止されている。


大阪桐蔭と高松商

平成になって1990年の決勝で同志社大と立教大が戦い、延長12回の好ゲームを展開。この頃から本格的に秋の大学日本一を決める大会という意識がより強くなってきたともいえようか。

2003年、2004年と中国地区連盟の東亜大が連覇を果たし、2005年には福岡六大学連盟の九州産業大が優勝するなど、この大会に照準を合わせてきた地方大学の躍進が目立つようになってきた。こうして大学野球そのものの勢力構図にも変化がもたらされてきたのだが、ここへ来て東都勢の三連覇は、やはり実力校が多い"戦国東都"の面目躍如であろうか。

その年の秋の大学日本一が決まり集大成という印象の強い大学の部に対して、高校の部は新チームで戦った秋季大会の地区優勝校が覇を競い、翌春のセンバツ大会の前哨戦の意味合いが強い。しかし、これも最初からそうした目的での大会出場校選出ではなかったところが面白い。

当初は招待大会の色合いが強く、11月で秋季大会がまだ終了していない地区も多くあり、それらの地区では各府県の持ち回りで3位校が代表となったり、東海地区のように地区大会の出場を逃した学校で明治神宮大会出場大会を行うということもあった。

だから、代表校の顔ぶれを見ても、1974年は関東は鎌倉学園、東海は関商工が出場。翌年は東海は静岡自動車工(現静岡北)、中国地区は当時まだ甲子園出場実績のなかった鳥取城北が代表になっている。1976年も愛知の成章、千葉の松戸東などが出場している。思えば必ずしも全国区とはなっていなかった学校が、こうして全国大会に出場しているというのも見る側とすればユニークで面白い。


敦賀気比・山崎選手

1997年に近畿地区を除いてほぼ全国の地区大会優勝校が出場するようになり、翌年は東北地区と四国地区を除く8地区の優勝校が集結。そして1999年の大会から、現行のように10地区大会の優勝校が出場するようになった。ちなみに、この年の優勝は四日市工で、現いなべ総合学園の尾崎英也監督が率いていた。また、葛原毅主将は国士舘大を経て、現在は健大高崎で甲子園でも話題となった機動力野球の核を担うコーチとして指導している。

今年は、その年以来の決勝進出となった敦賀気比と四国地区代表の古豪高松商が決勝を争い、高松商が優勝。2002年から始まった明治神宮大会優勝校にもたらされるセンバツの"明治神宮枠"を四国地区にもたらした。明治時代に野球部を創部しているという伝統校の復活に、早くも「来年のセンバツ、甲子園が待ち遠しい」というオールドファンも少なくない。

また、長身の山崎投手が注目される今春のセンバツ優勝校・敦賀気比や、相変わらず高いチーム力を誇る大阪桐蔭なども、神宮球場でその力を十分に示してくれた。

《手束仁》

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