【THE REAL】美しき敗者…雑草軍団・愛媛FCを変えた青年監督、キャプテン河原和寿が語る熱く固い絆
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コラム

近況報告から、話題は愛媛の新監督に就任した木山隆之氏に移る。水戸ホーリーホックで木山監督の指導を受けた大和田さんの声が、受話器の向こう側でおもむろに弾んだ。
「木山さんの言葉にはすごく魅力があるぞ」
ほどなくして、大和田さんが発した言葉の意味を河原は身をもって実感する。J2へ参入して9シーズン。最高位は1年目の9位で、あとはすべて2桁順位に低迷してきた愛媛を根本から変えようと、43歳の青年監督は真っ向勝負を挑んできた。
■闘志
「ホントにキレられたことしか覚えていないんですけど…」
苦笑いしながら、河原は指揮官とのやり取りを振り返る。
「結果的にはいいシーズンだったとはいえ、やはり波がありますよね。あまりよくない時期に、すごく厳しいことを言ってくれる。偽りのないストレートな言葉をぶつけてくれる分、僕たちもそれを真摯に受け止められる。監督の強い思いや魂を感じられるからこそ、ひとつひとつの言葉が心に響いたんです」
36歳だった2008年シーズンにホーリーホックの監督に就任。Jリーグ史上初の1970年代生まれにして最年少監督の肩書をもつ木山監督は、愛媛に確固たるベースを築くことから改革をスタートさせた。
監督デビュー戦で主審の判定に対して激昂。退席処分を食らった逸話を残す熱血漢は、何よりも「戦う姿勢」と「ハードワーク」を選手たちに求めてきた。
言葉で表せば簡単だが、ピッチで実践し続けるにはフィジカルの強さと強靭なメンタルが必要となる。指揮官の言霊に導かれるように、河原をはじめとする選手たちも厳しい練習に食らいついてきた。
「まずは戦えているかどうかが、僕たちの生命線になりました。木山さんが作り上げてくれた、目には見えないベースがあったので、チームの状態がよくないときにはベースへ立ち帰り、そこから何が足りないのかを考えられるようになったんです」
迎えた3月15日。ニンジニアスタジアムにアビスパ福岡を迎えたホーム開幕戦で、愛媛は2対1の勝利を収める。結果的に決勝点となる2点目を決めたのは河原だった。
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《藤江直人》
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