ドン・マッティングリー監督が新たに就任したマーリンズでは、コーチ陣の顔ぶれも大幅に変わっている。ボンズ氏は5人いる新任コーチのひとり。球団の公式サイトでマッティングリー監督は、「このチームの一員になることを決断してくれたことに感動している。マーリンズが発展、改善していくために我々はあらゆることをやっていく。バリーはその中で大きな役割を果たしてくれるはずだ。我々は彼を歓迎する」とコメントしている。
この決定にマイアミのファンからは、「ボンズはオールタイム・ベストの打者だ」「ボンズのコーチ就任を歓迎する。選手は得点圏にランナー出たときの心構えを学ぶべき」「彼がグラウンドに戻ってくるのはうれしい」「彼はステロイドスキャンダル以前、すでに歴史に名を残す打者だった。そのテクニックを選手に伝えてもらいたい」「マーリンズはテレビのホームコメディを見てるみたいだ。完全なジョーク、まったくシリアスさが感じられない」など多くの反応が寄せられている。
ボンズ氏は現役時代の禁止薬物使用が取り沙汰され、圧倒的な成績を残しながら殿堂入り投票で落選が続くなど評価の難しい人物だ。しかし、薬物使用以前から走攻守そろったメジャー屈指の外野手として知られており、1998年には史上初の400本塁打400盗塁を達成している。一方この偉業がボンズ氏に薬物使用を決断させたとも言われる。
当時メジャーを賑わせていたのは、マーク・マグワイアとサミー・ソーサのシーズン最多ホームラン記録争い。その影に隠れ、自身の偉業が小さな扱いしか受けなかったことに、プライドの高いボンズ氏が憤慨したというのだ。
打撃コーチ就任が決まったボンズ氏は球団の公式サイトで、「私にできることは、頭の中にある情報を伝え、彼らと一緒に戦っていくことだ」とコメントしている。