【THE INSIDE】2015年アマチュア野球総括…大学・社会人野球編 2ページ目 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE INSIDE】2015年アマチュア野球総括…大学・社会人野球編

オピニオン コラム
社会人の華ともいえる都市対抗
社会人の華ともいえる都市対抗 全 17 枚 拡大写真
他の連盟では、選手権では生田目翼(3年・水戸工)などの好投で準優勝を果たした流通経済大、全国の舞台には登場できなかったが田中正義投手(3年・創価)が話題をさらった創価大などが属する東京新大学連盟がスポットを浴びた。

また、上武大が引っ張る関甲新学生連盟は、白鴎大と山梨学院大などが食い下がっている。新潟明訓を何度も甲子園へ導いた佐藤和也監督が率いる、創部3年で一部昇格を果たした新潟医療福祉大も注目だ。

神奈川連盟も、一昨年の選手権は準優勝し、今春もベスト4。全国でも安定した力を示しているが、リーグでは桐蔭横浜大や関東学院大、横浜商科大などとの競い合いも質が高い。

近年、関西勢はやや低迷気味という印象は否めない。それだけに関西連盟の老舗である立命館大と同志社大の同立戦や、関西学院大と関西大の関関戦は地元での盛り上がりだけでなく、全国で力を示してほしい思いもある。関西六大学連盟では大阪商業大が引っ張ったが、全国的な印象としてはやや薄かった。

地方では、明治神宮大会に進出してきた中国地区連盟の環太平洋大が注目を浴びた。系列校としては創部2年目で甲子園出場を果たし、来春の出場が濃厚な創志学園がある。選手権では、57年ぶりに全国舞台に登場した西南学院大も話題となった。愛知大学連盟では老舗の愛知学院大が二部に降格し、代わって愛知産業大が昇格した。リーグ戦そのものは混戦の様相となっている。

■日本生命が強さを見せつけた

社会人野球では真夏の球宴都市対抗野球と秋の日本一を決する日本選手権のどちらも日本生命が獲って、自他ともに認める2015年のチャンピオンになった。

先に発表された社会人野球年間ベストナインには、藤井貴之(天理→同志社大)と古川昌平(大阪産大附→愛知学院大)のバッテリーをはじめ、廣本卓也(浪速→法政大)、山本真也(PL学園→東洋大)、上西主起(県和歌山商→中部学院大)と指名打者の高橋英嗣(九産大九州→東海大)と10人中6人が選出された。このことにも表れているように、圧倒的な層の厚さが光ったといえよう。


華やかな都市対抗の応援

選手権では大阪ガス、都市対抗ではHondaに競り勝っての優勝だが、大阪ガスは都市対抗でもベスト4に進出して安定していた。ここ10年ほどは、JX-ENEOS、JR東日本など関東勢が強さを示していたが、今年は低迷感があった近畿勢が発奮したといってもいいだろう。NTT西日本と日本新薬も都市対抗と日本選手権どちらもベスト8に進出している。

逆に関東勢が都市対抗ではベストと8にひとつも残り切れなかった。これは、都市対抗の歴史をたどってみても記憶にないことだ。また日本選手権でも準優勝のHondaとベスト8にはNTT東日本と日立製作所のみ。珍しく西高東低の勢力図となった一年だった。

■元気のなかった東海地区

2014年は都市対抗で西濃運輸、日本選手権でトヨタ自動車と気を吐いた東海地区だったが、今年はわずかにトヨタ自動車が都市対抗でベスト8に進出したにとどまった。

今年になって一気に関東地区や東海地区のチーム力が低下したのかというと、決してそんなことはない。こうした結果になったのは、たまたまとしか言いようがない。やはり社会人野球は主大会が一本勝負であり、その厳しさの表れでもあろう。そうした中で夏と秋を制した日本生命は、十河章浩監督のチーム作りプランが見事だったということか。

社会人野球の登録チーム数は毎年増減はあるが、約350チームを推移している。そのうち、いわゆる企業チームという立場のチームは86しかない。他はクラブチーム登録である。


Hondaの西郷泰之

かつては企業チームが主体でチーム数としても200を超えたこともあった。時代の流れの中で、社会人野球のあり方そのもの、もっと広く言えば企業スポーツそのもののあり方が変化してきている。そうした中で、今後の社会人野球がどのような形で発展していくのかも注目していきたい。

昭和2年に誕生した都市対抗野球とともに発展してきた社会人野球。時代が平成も27年目を終えようとする中、90年の歴史の重さを感じながら、社会人野球の新たな形を見出していきたい。

また、社会人野球一筋で、都市対抗の大会通算本塁打記録もマークして"ミスター社会人"とも言われたHondaの西郷泰之(日本学園→三菱ふそう川崎→Honda)が25年の現役生活を引退した。これも、新陳代謝の進む世界の中では仕方のないことであろう。今後は社業に専念しながら、将来的には指導者として現場復帰を目指すという。
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《手束仁》

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