【THE INSIDE】2016年、野球界への期待と展望…プロ野球、高校野球、社会人野球 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE INSIDE】2016年、野球界への期待と展望…プロ野球、高校野球、社会人野球

オピニオン コラム
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あけましておめでとうございます。2016年も当コラムをご愛読いただいております皆様と、野球界が発展して栄えていくことをお祈りしております。

■外野手出身の監督だから冷静になれる?

さて、その野球界。プロ野球では監督がガラリと若くなり、また新しい野球が展開されていくのではないかという期待感がある。セ・リーグは巨人に高橋由伸監督、阪神に金本知憲監督、DeNAにアレックス・ラミレス監督が就任した。いずれも外野手出身で、これは珍しい現象といえそうだ。

ヤクルト、阪神、楽天などで監督を務め、戦力外通告を受けた選手を再生させ、三度の日本一に輝く実績を残した野村克也氏は、「外野手ちゅうのは、試合の当事者になりにくい。一球一球でプレーを考え、スキを見て相手の嫌がることをするっちゅう発想に乏しいからや」と語っていたことがある。

確かに、ピンチに捕手と内野手がマウンドに集まるシーンはよくあるが、外野手はそのままのポジションにいる。選手としての評価としても「打ててなんぼ」というところもある。つまり、「自分のことを優先していけばそれでいいのではないか」という意識が強く感じられる。

それに野球の各シーンの中では、打球が飛ぶ確率、ボールに触れる確率としても、外野手は低い。それだけに野村氏の言う「外野手出身の監督は大成しない」という説は、ある意味では頷ける。

しかし、逆に考えてみたらどうだろう。外野手だからこそ、少し離れた位置でそれぞれのシチュエーションに対して考えてみることができるという考え方。だから冷静になれるという見方はどうだろうか。

バッテリーの場合は一球一球の当事者でもあるわけだから、冷静になれないのではないかという見方もある。まして投手などは冷静さを欠いて、熱くなりすぎるという部分もあるかもしれない。もっとも星野仙一氏のように、そのことで選手を鼓舞することもあるので、一概には言えないであろうか。

■新監督の采配、昨季ブレイクした選手、今年はどうなる?

いずれにしても、高橋監督、金本監督、ラミレス監督はいずれも40代でグッと若返った。選手兼任だった中日の谷繁元信監督も専任となり、外野手出身の新監督勢に対して、捕手出身の監督がどんな采配で経験値を示していくのかも興味深い。12球団で最年長、楽天の梨田昌孝新監督も捕手出身だ。ロッテの伊東勤監督と、捕手出身者同士の微妙な駆け引きも見どころとなるだろうか。

投手出身の工藤公康監督はソフトバンクの三連覇がかかる。オリックスも、シーズン途中から代行で務めていた福良淳一監督が正式に就任した。まだチームとしては始動していない今の時期のプロ野球、こうして監督話で盛り上がっていくのも楽しいだろう。

もちろん選手への期待もある。昨年のペナントレースでトリプルスリーを達成して話題をさらったソフトバンクの柳田悠岐、ヤクルトの山田哲人。今年はどうだろうか。山田は今季からは若松勉、青木宣親とヤクルトの代表的好打者がつけてきた背番号「1」を背負う。また、プロ野球記録となるシーズン216安打と打ちまくって大ブレイクした秋山翔吾にも注目が集まる。

これから2月1日のキャンプインまで、まずは今年の戦力分析でファンも楽しんでいくことになるのだろう。メジャーから古巣へ戻ってきたソフトバンクの和田毅、阪神の藤川球児らがどういった仕事をするのか見てみたい。広島では前田健太が抜けて黒田博樹への期待と負担が大きくなっていくのだろうが、その「男気」はカープ女子だけではなく、カープ親父も喜ばすことになるはずだ。

■毎年戦力が変わる高校野球と大学野球

毎年選手の入れ替わる高校野球。新たな勢力構図が形成されそうだが、昨春の優勝校・敦賀気比は2016年も強そうだ。連覇の可能性を秘めて、センバツ代表もほぼ内定している。

夏の覇者・東海大相模のいる神奈川県は、相変わらず高いレベルの混戦となるだろうが、昨秋の関東地区大会では期待の横浜も桐光学園も初戦で敗退した。最激戦区ともいわれている神奈川のセンバツ代表がないのは少し寂しいか。しかし、夏までにどれだけ戦力強化を果たしているのか、春季大会から気になるところだ。1月29日にはセンバツ代表校が発表される。

2015年の大学球界では、早稲田大と亜細亜大がそれぞれ春と秋の大学日本一となって、老舗連盟の面目を示した。しかし、近年躍進著しい地方連盟を含めた中で、今年は東京新大学連盟が注目を浴びそうだ。

創価大の田中正義投手は最速156キロのストレートを武器にしているが、160キロ越えなるかと期待も高まる。これに対して流通経済大の生田目翼投手も、全日本大学選手権の好投で一気に注目を浴びる存在となった。このふたりが投げ合う東京新大学リーグ戦は目が離せない。ローカル球場にプロ野球のスカウト陣が詰めかけることになるだろう。

他にも東海大に完全試合男の丸山泰資投手、北東北では富士大の小野泰己投手、九州では九州産業大の高良一輝投手など、ドラフト上位指名候補たちに期待が集まる。

リーグ戦の興味としては、東京六大学連盟で昨年は連敗を何とか止めた東京大が今年は勝ち点を奪えるのかに注目が集まる。

■質の高いしのぎ合いが楽しめる社会人野球

社会人野球では、全国で最も早い公式戦の皮切りとなる東京スポニチ大会で、新人選手など今年のチーム動向が見られる。昨年は都市対抗、全日本選手権ともに日本生命が制して王者の強さを示した。日本生命をどこが阻止するのかも興味深いところだ。

ドラフト漏れして悔しい思いをした慶應義塾大の谷田成吾はJX-ENEOSに。法政大の畔上翔は、チームメートの田中彪や駒澤大の片山雄貴らとともにホンダ鈴鹿へ。亜細亜大の藤岡裕大は、北村祥治や投手の軸として頑張った石塚賢次らチームメートとトヨタ自動車に入社した。ホンダ鈴鹿は慶應義塾大の小笠原知弘や明治大の石井元を獲得した。新戦力が多く入り、久々の都市対抗のドームへの復活が期待される。

新加入選手がいきなり登場する可能性も十分にあり、新陳代謝の激しい社会人野球。企業チーム数は限られているが、その中で質の高いしのぎ合いは、今年も十分に見る者を楽しませてくれるであろう。

2016年も野球は面白いぞ!

《手束仁》

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