インタビューその1:自己新連発の秘訣は「長期プランニング」
---:100m~400mまで、得意とする200m以外のレースも走って成績を残していますが、そのために何か他の選手とは違う練習などしているのですか?
藤光謙司選手(以下、敬称略):していないですね。100m~400mまでなぜ走れるのか、マルチスプリンターみたいなことをよく言われますが、僕にはそういう概念は特にないです。単純に「足の速いやつは何を走っても速い」と思っていて、たぶん(ウサイン・)ボルトが400mを走っても速いと思うんですよね。
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セイコーゴールデングランプリ陸上を走る藤光謙司選手
だから、特に距離に対して何かをしているわけじゃない。スプリントそのものだとか、走りそのものが良ければ、結果的にどの距離を走っても速いことには変わりはない。ただそれだけなのかなと思っています。
---:特に距離は意識しないと。
藤光:そうですね。結果的に走れると言うか、走れるんですよ、たぶんみんな(笑)。(レースで)走らなかったり、出なかったりするだけで、ただそれだけでみんな走れるはずだと思う。僕に限ったことではないのかなと。
ただ、僕が場面場面でマイルに出ていたり、そういう時に走ってるからイメージが付いたのかもしれない。高瀬慧(ロンドン五輪日本代表、富士通陸上競技部)にしても、もともと400mをやっていたけど、100m、200mに下がってきた。たぶん(他の距離を)走ったらみんなできます、トップのスプリンターは。
---:一番何mが好きですか?
藤光:もちろん200mが一番好きなことに変わりはないです。200mを速く走るために100mを使ったり400mを使っているだけで、結果的に速く走りたいのは200mです。自分を活かせるのが200mという距離だと思っています。
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第99回日本陸上競技選手権大会を走る藤光謙司選手
---:5月で30歳。ベテランの域に入っていると思いますが、自分の立ち位置をどう考えていますか?
藤光:若手が多くなってきていますが、年齢イコール競技力とか旬じゃないと思う。人それぞれあると思います。一般的には20代中盤がピークだと言われることが多いと思いますが、感覚的には今の僕はそれくらい。
ようやくそれぐらいまで来れたけど、ただ年齢的にも世間的にもベテランの域には入ってきている。若い頃とは立ち位置も変わってきて、下の代のことも考えないといけないのかなと最近思ってきています。
特に思うのは、自分が世界選手権などの場でファイナルを目指せる力を着けてきて、いざ戦って、そういう姿をどんどん見せていかないといけない。僕らがちゃんとファイナルに残るなど結果を後輩たちに見せてあげないと、それを目指せないと思うんですよね。
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