私もツアー・ダウンアンダーで1日ボランティアに挑戦しました。任務はレースがスタートする前に行われる、市民によるコミュニティーライドのサポート。あえて本部ではないところの仕事を希望しました。
●ボランティアのトレーニング
ボランティアの日程や仕事内容が決まるとトレーニングです。会場に入ると、ボランティアが着るユニフォームの受け渡し。スポーツイベントのボランティアの場合はポロシャツと帽子が配られることがほとんどです。今回はイベントが大きいので、そでには南オーストラリア州の名前が入っていました。
トレーニング内容は一つひとつの仕事というよりも、現場で何か起きた時の対処についてです。たとえば「不審物を見かけたら」などです。これは普段の生活の中でも使えそう。
この時にスケジュールの再調整を行いました。私の配置はアデレード市内から約80km離れたマックレスフィールドという地域に仮設された、コミュニティーライドの参加者が立ち寄るリフレッシュメントのテントです。朝5時半スタートになります。
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●片づけをスムーズにするのも任務のひとつ
コミュニティーライドの開始5時間後にはプロのレースが始まります。同じコースを走るため、片づけをスムーズにすることが大切。これが遅れてしまうとプロのレース開始が遅れることになりかねません。
●リフレッシュメントエリアでの作業
家を朝4時過ぎに出発し、決められた5時半に会場へ行くとマネージャだけがいます。ほかに3人のボランティアが同時刻スタートのようでしたが、時間通りに着いたのは私だけでした。ほかのメンバーがそろったのはその1時間後…。
マネージャーから最初の指示は、パワーエイド(エネルギードリンクのパウダー)をふたを空けて用意しておくこと。前日に並べられたパワーエイドの容器は深夜の雨で濡れており、それを拭くところからスタートです。
すべての用意が終わり、今度はふたを開けて、パウダーをスプーンで粉をすくいやすくする作業です。これはマネージャーから指示されたわけではなく、自分がイベント参加でリフレッシュメントに立ち寄った経験から感じていたことでした。
●忙しい時間はほんの1時間ほど
一番早いサイクリストたちの到着時には会話もできましたが、朝6時半のスタートから約4時間経過してからはが切れることなく、テントに訪れます。私はパワーエイドの量を確認しながら補充していきます。1時間ほど大混雑でした。
いつかはコミュニティーライドに参加してみたいと思いながら、今年はボランティアとなりました。参加している皆さんからサイクリングを楽しんでいる様子が伝わってきました。参加するためにメルボルンからクルマで8時間かけてやってきた友人もいました。
●誰もが楽しめるファンライド
このコミュニティーライドのいいところは、誰もが楽しめるように4つのレベル(距離)に分かれていること。一番長いのはプロのレースと同じ142.4km。一番短いルートは36kmです。地元ではツアー・ダウンアンダーと同じくらい有名なコミュニティーライドイベントとして確立しました。
実際に走る立場とは違う視点で眺めることができたコミュニティーライド。朝早い仕事ではありましたが、終わった後は気持ちのよい充実感がありました。