【山口和幸の茶輪記】アジア選手権…東京五輪世代のジュニアにどんな影響を与えたか | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口和幸の茶輪記】アジア選手権…東京五輪世代のジュニアにどんな影響を与えたか

オピニオン コラム
アジア自転車競技選手権(2016年1月)
アジア自転車競技選手権(2016年1月) 全 10 枚 拡大写真
普段は「原稿を書く」のがボクの仕事だが、たまに「原稿を書いてもらう」という正反対の業務に従事することがある。それがアジア自転車競技選手権の広報担当だ。

2016年1月に伊豆大島と静岡県伊豆市で開催されたアジア選手権でも、いつものように国内外メディアの対応に追われた。

自転車専門誌の編集者を10年務めて退職した後、フリーライターとして原稿を書くことを本職としながら、日本で開催される自転車競技の国際大会で広報業務を委託されるようになった。まずは5月のツアー・オブ・ジャパン、そして10月のジャパンカップも。

いずれも10年以上のお付き合いをして現在は役職を離れたが、いまも運営チームの一員として汗を流すのがこのアジア選手権だ。

■アジア選手権はオリンピックに関わる重要な大会

1999年に群馬県の前橋と嬬恋で開催された大会で初めて広報に起用され、2004年の三重・四日市、2008年の奈良と続いた。2003年に青森で開催されたMTBアジア選手権も広報担当だった。つまり1999年来日本で行われるアジア選手権はすべて広報として関わっているということになる。

アジア選手権が4の倍数の年、あるいはその前年に日本で開催されることがどうして多いのか。それは、気づいている人も多いと思うが、4年に一度のオリンピックに関わる重要な大会となるからである。例えば「勝てばアジア大陸枠が獲得できる」といった五輪参加に直結したレースが行われることが多く、そこには当然のことながら合宿で何度も走ったコースが舞台となる「地元の利」があるからだ。


伊豆ベロドローム

今回も「五輪」というキーワードがついて回ったので全国のメディアが殺到した。2020年の東京五輪・パラリンピックの競技会場となった静岡県伊豆市の伊豆ベロドロームに取材陣が大挙してやって来て、東京五輪の会場がどんなところなのかを報じた。

そして今回初めて同時開催となったパラサイクリングにも注目が集まった。1月27日にはNHK総合9時の『ニュースウォッチ9』のなかのスポーツコーナーで、さらに11時20分の『スポーツプラス』で全国放送された。前者はパラサイクリングの藤田征樹、後者も同じ鹿沼由理恵をクローズアップしたものだった。

いつも痛感するのはこのアジア選手権というもの。アジア特有の難しさもある。イスラム圏選手の宿泊施設、レセプション会場での食事提供などではハラル対応が求められる。メッカの方向も表示する必要がある。中国や韓国選手名は漢字表記にして共同や時事に記録送信する必要がある。今回は内戦によって難民申請が相次ぐシリアからも選手団が来日し、万一の際の対策作りに追われた。


伊豆ベロドロームで行われたトラック競技

大自然も難敵となった。ロード競技のコースとなった伊豆半島では選手・関係者の多くが現地入りする日をねらったかのように、荒天によって空と海の移動手段が全滅。追い打ちをかけるようにロード競技終了後も悪天候となって航路の欠航が相次いだ。最終的に波風に強い大型客船にすべての関係者が乗り込んだのだが、レースを終えた各国選手たちと和気あいあいの船旅となってそれはそれで思い出になった。

いつものアジア選手権と同様にかなり大変な大会運営ではあったが、終わってみれば鮮明な記憶としてボクの業務歴の中に残る。各社の取材記者と接し、プロのたくましさを感じ、ボクはまだ未熟だと感じた。

そして主役となる選手たちの熱き戦いも記憶に残る。キャリアの頂点を行くエリート選手も勢ぞろいしていたが、次代を担うジュニア選手も頑張っていた。この大会が彼らの今後にどんな影響を与えたものだったか。2020年に日本代表となったなら質問してみたい部分である。

《山口和幸》

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