大日方:少し変わっていることかもしれないのですが…。私は障がいがあるでしょう。そのことをすごくポジティブにとらえています。障がいがあることがひとつの個性なので。ですから、障がいがあることを活かせる職業に就きたいと思っていました。それを柱にして就職活動をしました。
生きていくうえでも、「できないことがあるけれども、それをできるようにするにはどうするのか」ということを考える喜びがある。また、周りの人からすれば大したことはないかもしれないけれど、自分の中ではできなかったことをできるようになるのは、すごく面白いことだったんです。だから、人生をポジティブに生きる方法が自然と身についていたのかもしれません。
パラリンピックは自分の中ではひとつの大きな成功体験で、それがさらに自信につながっていたというのもありますね。学生時代から「自分じゃなければできないなにかをやりたい」という想いがあって、私の場合、特に「自分じゃなければできないこと」がやりやすいことだったのは幸運でした。
偉そうな意味ではなく、人と違うことをやりたい、というのが私の就職活動のベースでした。

---:今はどんな仕事をしているのですか?
大日方:2020年に東京オリンピック・パラリンピックが決まって、環境が劇的に変化しています。私は広報を業務にする会社の中にいて、しかも「オリンピック・パラリンピック部」にいます。
オリンピック・パラリンピックに関心のある企業や自治体への説明、競技団体の広報支援業務、メディアからの取材対応、各競技の体験会の調整、記者会見の準備や運営や、企業スポンサーのコミュニケーションの企画提案、いわゆるコンサルティング業務もあったり。メディア向けの勉強会を開催したりと、多様な仕事をしています。
PRってものすごく広い概念なので、一概に何をしているかは言えないですね。オリンピック、パラリンピックに関する業務には何でも取り組むといった感じです。
また、「公職活動」と呼んでいるのですが、内閣府や経済産業省のなどの公職、パラリンピック選手会である日本パラリンピアンズ協会理事として、組織委員会のお手伝いなど。会社にはこれらの活動も認めて頂いていて、いまは6割くらいをこっちにかけているかもしれません。
また、私は日本障害者スキー連盟競技理事として、パラアルペンGMも業務として行っているし、電通PRもアルペンチームのスポンサー獲得を業務としてやっています。競技団体とスポーツ企業の間に入って、選手の広告出演などに関する調整を行ったりもしています。
(その3へ続く)
※ ※ ※
その1 アスリートのキャリアと"戦略力"
その2 「自分じゃなきゃできないこと」を追い求めた結果、気がついたらそこにいた
その3 「レガシーは狙って残す」…オリンピックにおける「レガシー」とは?
その4 日本人の国民性がオリンピックに向いている理由とは