【LONDON STROLL】プレミアリーグはチケット高騰…サポーターたちが抗議 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【LONDON STROLL】プレミアリーグはチケット高騰…サポーターたちが抗議

オピニオン コラム
リバプール 参考画像(2016年1月26日)
リバプール 参考画像(2016年1月26日) 全 3 枚 拡大写真
プレミアリーグのリバプールが、2016-2017シーズンのチケット価格の概要を発表した。スタジアムの改築後のチケット料金について、現メインスタンドの最高額、59ポンド(約1万円)から、77ポンド(約1万3000円)に値上がりが決定したという。

■チケット高騰に怒るサポーター

チーム側はシーズンチケットや当日券の価格について、現状維持か値下げの方向であると発表しているが、サポーターグループは、「全体的に大幅な値上げであることは明らかである」「クラブ側はサポーターグループと連携し、我々の意見を取り入れると約束していたが、その事実に反している」「オーナーたちからまったく説明がない」など怒りをあらわにしている。

彼らは、「チケットの値段に関する取り組みにおいて、リバプールが公平さを示す機会を失ったことになる」「チームに対する我々の支持と(リバプール本拠地の)アンフィールドの雰囲気を維持するために、低価格チケットの提供が公正だと信じている」との声明を発表している。

これを受け、一部のサポーターグループは、アンフィールドで開催されるサンダーランド戦で、77分が経過したら席を立つようファンに提案。実際に2月6日に行われた試合では、77分に多くのサポーターが退席し、会場は異様な雰囲気と化した。


リバプールのサポーターたち

試合は2-0とリバプールがリードしていたものの、多くのサポーターが退席し終わった82分にサンダーランドに1点を返された。試合終了間際の89分にはとうとう同点まで追いつかれ、サポーターの退席が選手にも影響したように映った。

チケット高騰発表に対するサポーターの抗議。年々チケットの高騰で悩まされてきたサポーターたちの堪忍袋がとうとう切れた結果である。プレミアリーグはヨーロッパでもチケット代の高さで有名だが、プレミアリーグ全体で見るとリバプールのチケットはどのくらい高いのだろうか。

チケット代ランキング1位のチームは、リバプールの77ポンドを20ポンドも上回る97ポンド(約1万6260円)のアーセナルだ。今シーズンはチケットの高騰を抑えたものの、世界で1番高いと言われるアーセナルのチケット代は群を抜いている。アーセナルのサポーターもチームに対して立ち上がるべきなのかもしれない。

2位は意外にもウェストハム・ユナイテッドで、95ポンド(約1万6000円)。3位は、チェルシーで87ポンド(約1万5000円)、4位はトッテナム・ホットスパーの81ポンド(約1万3500円)と、ロンドンに本拠地を置くチームが独占している。

それ以外では、マンチェスター・ユナイテッドとマンチェスター・シティが仲良く58ポンド(約9800円)。日本代表の岡崎慎司が所属し、今シーズン大躍進中のレスター・シティは50ポンド(約8400円)となっている。ちなみに最下位は、今シーズンから初プレミア・リーグを戦う、ボーンマスの32ポンド(約5400円)である。


リバプールのサポーターたち

アーセナル、クリスタル・パレス、マンチェスター・ユナイテッド、ノリッジ・シティ、スウォンジー・シティが来シーズンのチケットの据え置きを発表。ウェストハム・ユナイテッドはスタジアム移転のため、チケット代の値下げを発表。このような状況の中で、リバプールのチケット高騰は多くのサポーターの不信感を煽るものであった。

そして今回の騒動を受け、リバプールのオーナーであるジョン・W・ヘンリー氏、会長のトム・ワーナー氏、そして社長のマイク・ゴードン氏が、11日にチーム公式Facebookで謝罪と一部改正を発表した。

基本的に2016-2017シーズンのチケット料金は、メインスタンドに増築される座席による料金を除けば据え置き。 一番高いと言われるチケットの値段は、2015-2016シーズンと同じ59ポンドのままとなった。

リバプールFCのオーナーであるジョン・W・ヘンリー、会長のトム・ワーナー、そして社長のマイク・ゴードンから、リバプールのサポーターの皆さんへのメッセージです。親愛なるリバプール・サポーターの皆さまへフェンウェイ・スポーツ・グルー...

Posted by Liverpool FC on 2016年2月10日


プレミアリーグが新たに結んだテレビ放映権は、5.1ビリオン・ポンド(約8360億円)。2016-2017シーズンはプレミア・リーグ最下位のチームでさえ、99ミリオン・ポンド(約163億円)の放映権収入があり、どのクラブも収入は右肩上がりだ。

以前は、フーリガンと恐れられた英国サポーター。近年は厳しい取り締まりの影響もあり、以前のような暴動が起きることはなくなったが、今でも各スタジアムでは大声でチームを鼓舞する熱いサポーターが多く存在する。

しかし、マネーゲームと化しつつあるサッカー界。このままチケットの高騰が続けば、生粋の地元サポーターたちがスタジアムに行くことができなくなり、観光客がメインとなるサッカー観戦の時代へと突入してしまうのではないだろうか。

今回の騒動は、そんな時代の変化への、警鐘だったのかもしれない。

《Takaharu Osako》

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