山下泰裕・松井秀喜の伝説シーンはアンフェア?…野村弘樹フェアプレー考 #2
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
1984年のロサンゼルス五輪・柔道無差別級決勝で、右足を負傷した山下氏。対するモハメド・ラシュワン選手はあえて右足を狙わず戦ったことが、フェアプレーと称えられている。このシーンについて野村氏は「相手の気持、山下さんの気持ち、それぞれで感じるものがある人、手を上げて」と投げかけた。
生徒からは「相手選手の気持ちとしては、仮に右足を狙って勝っていたら、『弱点をついて勝てた』といわれ続けるかもしれない」「相手が右足を狙わないということが"相手の弱点"。狙われると思い防御されると判断したんじゃないか。そう思うとフェアかも」といった声が上がった。
これに対して野村氏は、「右足を狙って勝ったとしても、満足感は得られないという一面もあるかも」「本人の気持ちの問題。精神的なものもある。ケガしている人間に対し、当然、そこを狙う技もあるだろう。逆に、とことん右足をかけながら優勝したとしたら、わざと狙ったのか、そもそも自分の"技"として狙ったのか…。このあたりは当の本人にしかわからないこと」と返していた。
また、1992年の夏の甲子園大会で松井秀喜氏(星稜→巨人→ヤンキース→エンゼルス→アスレチックス→レイズ)が5打席連続敬遠を受けたことについて、フェアかアンフェアかの議論が続いた。
「ルール上はまったく問題ない。これは野球における"作戦"のひとつ。プレーに対して、敬遠した側(明徳義塾)、敬遠された側(星稜)、松井、それぞれどう思うか」(野村氏)
「作戦なんで、いいかなと思う。松井選手以外の人が点を取ればいいから。フェアプレーだと思う。敬遠して負けたら悔やむと思うので、自分は勝負したい」(バスケ部所属男子)
「ピッチャーとしての本質は、勝負したいんだよ。でもピッチャーの気持ちを抜きにしての作戦。そのとき君だったらどう思う?」(野村氏)
「一打席でもいいから、自分は勝負したい。悔いが残る」(生徒)
「勝つことを優先したいから敬遠したい。負けてしまったら、これまで支えてくれた人になんていえばいいか…。僕は勝つために敬遠したい」(サッカー部所属男子)
「自己犠牲ってことだよね。松井からみれば、ホームラン打って勝ちにつなげたいところだろう。でも敬遠は、自分の力が認められているということでもある」(野村氏)
こうした対話のあと、野村氏は松井氏の"姿勢"がフェアプレーだと生徒に伝えた。
「松井は5打席とも、バットをしっかりと構えていた。その姿勢こそがフェアプレーだと思う。態度を変えず、じっとしていたのはすばらしい。オレが打席に出てたら、きっと顔に出てたかもしれない。悔しいだろうけど、真摯に徹していた。そこもフェアプレーだと思ったね」
《大野雅人》
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