持久走タイプか遺伝子から診断?「ランニングと遺伝子の関係性」が公開 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

持久走タイプか遺伝子から診断?「ランニングと遺伝子の関係性」が公開

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遺伝子検査サービス「MYCODE(マイコード)」は、ランニングと遺伝子の関係性を公開している。

マラソンの勝負のカギとして、トレーニングや日々の食事、睡眠などが関わってくることは知られているが、実は遺伝も関係している。マラソン選手などのいわゆる「持久力型アスリート」が持つ優れた持久力は、トレーニング、栄養管理や遺伝など、複数の要因が功を奏した結果だと知られている。

そこで、ドイツのミュンヘン工科大学を中心に、北米・フィンランド・ドイツの複数施設が参加した国際研究プロジェクトでは、「β2アドレナリン受容体(ADRB2)遺伝子」に焦点を当て、持久力と関連があるかどうか研究を行った。

研究の対象となった「β2アドレナリン受容体(ADRB2)」にも含まれている言葉であるアドレナリンは、興奮したり緊張したりすると副腎から分泌されるホルモン。アドレナリン受容体と呼ばれるタンパク質にはさまざまなタイプが存在しており、「ADRB2」はそのひとつとなる。アドレナリンそのものではないが、「カテコールアミン」と呼ばれるアドレナリンの仲間の物質を受け止めて作用させるタンパク質だ。

ADRB2遺伝子はアドレナリン受容体遺伝子の仲間で、以前からさまざまな研究対象として着目。研究が進む中で、ADRB2遺伝子に存在する「rs1042713」というSNPは、この遺伝子から作られるADRB2タンパク質の構成を変化させるSNPであると見つかった。

このADRB2遺伝子が変異したものは、「バナナ型遺伝子」と呼ばれることもある。ADRB2遺伝子はエネルギー消費や脂肪燃焼にも関連しており、この遺伝子に変異を持っていると、変異が無い遺伝子を持っている人よりもエネルギー消費量が多く、「バナナのようにスッとした痩せ型」になりやすいという。

持っていると内臓脂肪がつきやすいといわれる「りんご型遺伝子」や、皮下脂肪がつきやすいといわれる「洋なし型遺伝子」も存在している。

今回の国際研究プロジェクトでは、「持久力型エリートアスリート」と「普段ほとんど運動をしていない一般人」で、ADRB2遺伝子に存在するrs1042713というSNPについて比較した。対象者は全て白人男性。

その結果、一般人は持久力型エリートアスリートに比べて、ADRB2遺伝子に存在するrs1042713というSNPが「G」である割合が統計学的に高いと分かった。rs1042713というSNPは、GG、GA、AAの3つの遺伝子型に分けられる。

日本人平均と比べると、GGまたはGAの遺伝子型を持つ人は「一般的な持久力タイプ」、AAの遺伝子型をもつ人は「持久力が高いタイプ」という遺伝的傾向を持っているといえる。

短距離系のスポーツに遺伝的に向いているかどうかには、筋組成に関わるACTN3という遺伝子のある一部の配列の違いが影響を与えていることが報告されている。ACTN3遺伝子のある一部の塩基配列がCかTになるかによって、短距離系のスポーツに向いているかが決まるという。

CのタイプのACTN3遺伝子を1つでも持つと、速筋が発達しやすいことが分かっている。Tの遺伝子型のみをもつ人は、比較的速筋が発達しにくいそう。「速筋」は短距離系のスポーツには欠かせない筋肉であるため、遺伝子型にCを持っていると、短距離系のスポーツに有利な筋組成を作りやすいといわれている。

遺伝子検査サービスMYCODEでは、「MYCODE fumfum」というサービスで遺伝的タイプがどのようなタイプに当てはまるのかを調べることができる。メニューは、病気と体質の遺伝的傾向がわかる「ヘルスケア」、がんの遺伝的傾向がわかる「がんパック」、祖先のルーツや体質などを調べる「ディスカバリー」の3種類。

価格はヘルスケアが2万9800円、がんパックが1万4800円、ディスカバリーが9800円(各税抜き)。

《美坂柚木》

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