「走っている間はガンから逃れられた」…病気を乗り越えたランニングコーチ
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
金氏は大腸ガンになった経験がある。10年前の2006年のことだ。自分は健康と思っていたら、ハーフマラソンの帰りに下血をした。
「内視鏡検査をすると、大腸ガンと判断された。手術をして成功したが、今まで入院したこともなかったので、一気に奈落の底へ落とされるというか。"死"ということを真剣に考えた」
手術は成功しても、再発の可能性もあり死の恐怖からはなかなか逃れられなかったそうだ。他の臓器に移ることも考えられた。
「同じような状態のガン患者のデータなどを見ると、生死をさまよったほどではないが、死の可能性だってあった。体よりもメンタルにダメージを負った」
8月に手術を行い、11月にクラブの練習会に参加してまた走り始めた。ランニング仲間にはガンで入院していたことは伏せていた。
「数カ月ぶりに走ったらすごく楽しかった。走っている間だけ、恐怖から逃れることができた。というよりガンのことを考えないで走ることができた。心から走ることに携わっていてよかったと感じた」
その翌年、フルマラソンに挑戦することになった。トレーニングがほとんどできていない状態。走る義務はない。コーチとして同行していたため、参加者をサポートするだけの予定だった。
「その時点ではようやく10km走ることができるくらいだった。専門家からすればフルマラソンを走ることは無謀だった。でも、6時間10分という制限時間の中で走ることができたら、強い自信になると思った」
そして金氏はスタートラインに立った。周りの人はガンから復帰したことなど何も知らない。練習不足から30km地点で足が痛くなった。そこから左足をひきずりながら12kmを歩いた。
「でも、時計を見たら完走、完歩できることがわかった。嬉しくてしょうがなかった」
体はまだ治っていなかったが、改めてマラソンの素晴らしさを感じたという。
「心は一気に頂点にたどり着いた感じ。その経験はいまでも忘れられない。今までで一番遅い5時間40分程度のタイムだったが、一番印象に残るマラソンになった」
《大日方航》
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