【THE INSIDE】プロ野球はキャンプからオープン戦へ…いよいよシーズン近し
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コラム
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■夢がふくらむオープン戦
「今年の開幕投手は誰だろう」「去年活躍したあの選手、今年はどうだろう」「新戦力の活躍はどうだろうか」など楽しみなことがいっぱいだ。
何よりも今のところはどのチームも優勝の可能性がある。9月にはこんな感じで優勝しているのかな~ということを勝手に思い描ける時期だ。だからファンは贔屓チームのいいところばかりを探し、夢をふくらませながらオープン戦を観戦していく。
エースが打たれたら「まだ開幕まで時間がある。しっかり調整するから大丈夫」と思い込み、新戦力が活躍すれば「今年は面白いぞ」とワクワクした気持ちになってくるものだ。
キャンプでは多くのチームが紅白戦やオープン戦とは別に、練習試合という形で対外試合を組んでいた。そして2月末に東京ドームで巨人・高橋由伸新監督の本拠地初お目見えとなり、いよいよオープン戦も本格化していった。
今年は新監督が多く、しかも40代という若い指揮官たちがフレッシュな感じを与えてくれている。
■練習試合とオープン戦、何が違う?
ところで、キャンプで行われていた練習試合とオープン戦は「どう違うのか?」と聞かれることがある。オープン戦は日本野球機構(NPB)が定めた日程にしたがい、プロ野球12球団の中で対戦することが原則。プロ野球興行として観戦チケットも販売している。観戦チケット料金は公式戦とは異なるが、地方球場も含めて公式戦とほぼ同様のルールで試合が行われる。
これに対して練習試合は各球団同士で話し合って試合日程を決める。ルールに関しても当事者同士で決めるもので、後攻チームが勝っていたとしても9回裏まで行ったり、一度ベンチに下がった選手を再度出場させてもOKという場合もある。また、指名打者を何人か置いて打順を9人以上で組んでいくケースもある。
状況に応じた試合ということで、あえて6回表同点という設定で試合を行うこともある。これらには観戦チケット料金は発生しないことになっている。NPBの管轄ではないからだ。
練習試合で興味深いことに、沖縄など同じ地区でキャンプをしている韓国のプロ野球チームとの試合がある。これはあまり情報のない対戦相手に対して、どのように対処していくかということで得るものが多いという。特に韓国にはトリッキーな形の選手も多い。初対戦するデータのほとんどない投手に対して、投球の中から判断して対処していくことはシミュレーションとして効果的ではないだろうか。
交流試合などでは普段戦わないリーグの、しかも新戦力や急浮上してきた投手などと対戦することもある。こういう場合、データのない韓国投手との対戦経験は非常に貴重だ。それは投手にとっても同じで、打者の立ち位置やフォームから、得意コースや苦手コースを見極めていく練習になるだろう。
■話題豊富な両リーグ
練習試合からオープン戦がメインとなっていく3月。ホームグラウンドでの公式戦も多く組まれているが、新監督としてはお披露目という意味もあるだろう。新監督のひとり、2球団で優勝経験のある梨田昌孝監督率いる楽天イーグルスは新人・オコエ瑠偉選手など話題も豊富だ。
盤石の強さと言われている2年目の工藤公康監督が指揮を執るソフトバンクホークスとどんな戦いを繰り広げるかも楽しみだ。
二刀流の大谷翔平選手も順調な仕上がりを見せている日本ハムファイターズはソフトバンクホークスに対抗できる一番手と目されている。ベテランの域になってきた伊東勤監督のロッテマリーンズ、代行から監督就任して3年目となった田邊徳雄監督の西武ライオンズ、そして球団としては1989年以降で初の生え抜き監督となった福良淳一監督のオリックス・バファローズも巻き返しを狙う。
セ・リーグではディフェンディングチャンピオン、真中満監督のヤクルトスワローズはどうだろうか。前田健太投手が抜けた穴をどれだけ埋めていけるか注目される緒方孝市監督の広島カープ、アレックス・ラミレス新監督のDeNAベイスターズ、監督専任となった谷繁元信監督の中日ドラゴンズも戦いが気になる。
しかし、なんといっても話題を集めているのは、アニキこと金本知憲新監督の阪神タイガースだ。その金本監督は、沖縄・宜野座キャンプは打ち上げたものの、その後も本拠地甲子園で継続キャンプを宣言。1軍と2軍の線上にいる選手に刺激を与えていく方針だ。高橋由伸新監督の読売ジャイアンツと40代監督対決とになる伝統の一戦も今シーズンの新たな見どころだ。
こうした動向もにらみながらオープン戦を見ていくことで今シーズンを展望できる、それが3月のプロ野球の楽しみ方だ。
《手束仁》
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