東京マラソン2016、日本の40代車いすレーサーが健闘…"走る楽しみ"を体現
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42歳の土田は大会9連覇という偉業を達成。過去、国際大会で幾度もデッドヒートを繰り広げてきた27歳の好敵手、タチアナ・マクファーデン(米国)とこの東京でも一騎打ちに。ゴール手前、わずか1kmほどで相手を引き離し、1時間41分04秒でフィニッシュ。リオデジャネイロパラリンピック日本代表に内定して出場機会を引き寄せた。
土田と同じ42歳の洞ノ上は、連覇はできなかったが1時間26分01秒で3位入賞。土田と同じく実力でリオデジャネイロパラリンピックへの切符を手に入れた。
こうした40代の活躍は、車いす使用者の「挑戦してみたい」という想いに火をつけている。東京や埼玉、千葉で車いすを販売する店舗に聞くと、「やってみたいんだけど…」という相談を受けるという。
「まず"車いすの陸上"という世界があることを知る。年齢や性別はあまり差がなく、『趣味としてレースに挑戦したい』とか『トレーニング仲間を増やしたい』とか、想いはいろいろ」(千葉の販売店)
「ロード系の自転車に乗りたい、という自転車好きと同じ。いつもはシティサイクルやMTBに乗ってる人たちが、『もっと風を感じたい』とか『グループでスポーツ走行を楽しみたい』とか、そんな想いでショップに訪れる。『車いすレースをテレビで見て、やってみたいと思った』といいながら、初めて見るレース車両に感動して帰っていく」(東京の販売店)
15歳も年齢が離れたライバルと真っ向勝負し、41km過ぎに果敢に仕掛けた土田。その姿を沿道で目の当たりにした車いすの女子高生は、「本当にカッコよかった。感動した」と拍手を送った。
車いすユーザーに"走る楽しみ"を伝えた土田は大会後、「負け知らずのタチアナ選手に勝てたことが、素直にうれしかった。『普通に走ること』のすばらしさを知る機会にもなった」と語った。
《大野雅人》
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