【THE SPIKE】イチローはイチローであり続ける…偉大なる記録へ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE SPIKE】イチローはイチローであり続ける…偉大なる記録へ

オピニオン コラム
イチロー 参考画像(2016年2月23日)
イチロー 参考画像(2016年2月23日) 全 5 枚 拡大写真
2月23日にキャンプインして以来、依然として衰えを感じさせない快活な動きを見せるイチロー。若手の多いマイアミ・マーリンズの中でも、ランニングで先頭を走り、明るい表情も目立つ。心からキャンプインを待ちわびていた様子だった。

■42歳で迎えるメジャー16年目

キャンプ中、守備練習では背面キャッチを披露して周囲を沸かせ、フリー打撃では柵越えを連発。イチローに年齢の話題はナンセンスかもしれないが、とても42歳とは思えない。

昨年末、マーリンズの打撃コーチに就任したバリー・ボンズ氏も、イチローのフリー打撃に対して「衰えている気配すら感じない」と評している。走力においても相変わらずで、一塁までのタイムは3秒98。これはメジャーリーグで5番目の数字だ。



それでも不振が続けば年齢の話題になり、その延長で限界説もささやかれる。イチローは年齢について、「野球選手としては面倒な年齢になってきた」と語る一方で、「時間は人間が勝手に決めた事。年齢に関して言われるのは、うっとうしい」とも話す。

■人生は42歳から始まるんやて

イチローはキャンプイン以来、親交のあるダウンタウン・浜田雅功氏から贈られた直筆のオリジナルTシャツを着用して球場入りしている。Tシャツに書かれている言葉は複数あり、「肩もわりかし強いほうやし」「守りも固めやし」「ケガなんかしたことないし」「脚もわりかし速いほうやし」など、イチローの特長を端的かつユニークに表現したものが並ぶ。

そんな中、キャンプ初日にイチローが着ていたTシャツに書かれていた言葉が、「人生は42歳から始まるんやて」だった。ここからがスタートだということ、まだまだ若い選手には負けていられないという意志表示とも受け取れる。

「自分の背番号が51なので、51歳まで現役をやりたい」

シーズンオフで帰国中、オリックス・バファローズの宮内義彦オーナーとの会食の席で語ったとされるイチローの言葉。冗談でありながら、本音でもあるのだろう。



■2016年は記録ラッシュの期待

メジャー通算安打でベーブ・ルース(2873安打)を抜き去り、日米通算ではメジャー歴代2位のタイ・カッブ(4191本)を超えるなど、2015年に数々の記録を更新したイチロー。今シーズンも偉大な記録の達成が期待されている。注目はメジャー通算3000安打と日米通算安打でのピート・ローズ(4256安打)超えだろう。

3000安打までは65本と迫っており、開幕以降のチーム状況にもよるが、今季中の達成が期待されている。仮に達成できなかった場合でも、球団からは「居たいだけ居てほしい」と契約時に終身雇用ともとれる発言が飛び出すほどリスペクトされている。早々と達成してもらいたい願いはあるが、そういう担保もある。

ピート・ローズの持つメジャー歴代1位の4256安打までは、あと43本。こちらは「日米通算安打」という記録であるため、100人中100人が納得することにはならないかもしれない。だが、とてつもなく偉大な記録であることには間違いはなく、私たちは間もなく歴史的な瞬間を目にすることになるだろう。

また、イチローの盗塁数はメジャー通算498。メジャー史上38人目となる500盗塁まで、あと2つと迫っている。日米通算となると697盗塁で、あと3つで700盗塁だ。2016年は偉大なる記録を刻む記念すべきシーズンになりそうだ。



■故障者リスト入りは1回のみ

これだけの記録を作るには、当然それだけ試合に出続けなければならない。イチローはとにかくケガに強い。メジャーリーグに移籍してから故障者リストに入ったのは1回のみ(シアトル・マリナーズ時代の2009年、開幕から8試合を胃潰瘍により欠場)。

それも、2009年メジャー開幕前に行われた第2回ワールド・ベースボール・クラシックに参加したことによる心身の疲労が要因とされており、不注意からのケガやシーズン中のケガが理由での故障ではない。

オリックス在籍時に目を向ければ、1994年~1998年までは全試合出場(1999~2000年はケガにより各年30試合ほど欠場)。日米通じて、これまで大きなケガとは無縁である。

イチローがコンディションを維持し続けられるのは、ライフスタイルにおけるルーティンが大きいとされている。打席に向かい、バットを構えるまでのイチローのルーティンは知られたところだが、朝起きてから寝るまで、ほとんど同じ行動をしているという。

スパイクを履いたまま階段を昇降せずにスロープを利用するのは、足首を捻るなど、捻挫の可能性を危惧してのこと。また、ソファに座らないのは腰に負担がかかることが理由と、とにかく自身の体のリスク管理、メンテナンスは些細なところまで徹底している。

イチローは過去にこのような事を話している。

「特別な事をするために特別な事をするのではない、特別な事をするために普段通りの当たり前の事をする」

「準備というものは、言い訳の材料となり得る物を排除していく事。そのために考え得る全ての事をこなしていく」

何の心配もいらない。2016年もその先も、グラウンドで輝き続けるイチローの姿が想像できる。

《浜田哲男》

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